職人の顔は「記憶」に残す
少し話は変わりますが、現場から離れている時でもアンテナを張るということを、新人施工管理の皆さんは日頃から意識できていますか?現場で活躍されている施工管理の先輩方は、きっと自然にやっていることだと思います。
施工管理は、工程を見て「そろそろこの作業が終わるなー」とか、「材料ちゃんと入っただろうか?」「来週雨だけど作業大丈夫だろうか?」など、色々な考えを張り巡らせるアンテナが必要です。
施工管理のアンテナには際限はなく、考えれば考えるほどたくさん出てきます。これがたくさん出てくる人とそうでない人がいますが、違いはなんでしょうか?それは、工程表を見た時に工程の進捗だけではなく、その時に工程表上にいる”現場で働く職人さんの顔”が浮かぶかどうかだと思います。
例えば、こちらのミスで工程が止まってしまった時の職人さんのガッカリした悲しい顔、青筋を立てて憤怒している顔。こちらが安全に留意できなくて労災事故を起こしてしまった時の職人さんの絶望的な顔や気持ち、ゴミ溜めの中で仕事をしている職人さんの顔、管理されていない汚いトイレで用を足す時の何とも言えないイヤな気持ちなど(笑)。
少し考えただけでも色々浮かんできます。反対に、こちらの配慮で工事が円滑に進んだ時の嬉しい顔、安心した顔。どちらかといったら、もちろん後者の顔をたくさん見たいですよね?怒っている顔が好きだ!という人はいないでしょう(笑)。
職人さんたちは、常に気にかけてくれている人のことはわかっています。逆に、放置されているなということも意外とよく伝わっているものです。悲しい顔を見たくないから一生懸命に手を打つ、嬉しい顔を見たいから思考を凝らして提案をしていく。
常に現場にいる人へ想いをはせることこそが、施工管理のアンテナをより強めるきっかけになると思います。まあ、思い出したくもない顔もあると思いますが、そこは心を広くもってお付き合いしていきましょう(笑)。
心はいつも現場に置いておく
この数年で色々なことがリモートでも可能になり、施工管理もリモートでできる時代になりつつあります。リモートで管理をするにしても、結局は「人」です。
職人の意見を聞くことも、進捗を確認することも、手配を進めることも、すべて施工管理の業務であり、施工管理の趣旨が変わるわけではありません。
以前、『施工管理は「棟梁」と同じ存在であるべき』でもお話しましたが、現場の主役は”施工管理と職人の頭脳”です。なので、どんな大変なプロジェクトでもどんな状況であっても、一緒に良いものを作り上げていこうという真剣な思いを持ち、「心はいつも現場に置いておく」ことが大事です。
新人施工管理の方は色々任されて、大変なことも、思い通りにならないことも、たくさんあると思います。ですが、現場の進捗や状況が手に取るように把握できるようになり、職人や現場の人たちとの良い関係性が保てれば、施工管理は楽しい仕事に変わります。
そのために大事な「記録すべきこと」と「記憶すべきこと」の2点を、今回はお話させていただきました。皆さんの何かの気づきになったら嬉しいです。
職人の顔が浮ぶとか心を現場に置くとか言うから若い人から嫌厭される。
綺麗事ばかりのこういった記事は反吐がでる。
プライベートでも仕事のことを考えさせられるなんて絶対にやりたくない仕事ですね。