現場で土砂崩れが発生。タイミングが悪ければ全員死んでた
――これまで経験してきた現場で最も印象に残っていることはなんですか?
中野さん 難しいところですけど、厚幌ダムですかね。この現場に入って1週間後に、胆振東部地震が起きたんです。震源地はほぼほぼダム直下でした。震度7の地震によって、現場がメチャクチャになりました。そこから復旧作業に入って、冬期も、雪の中で測量したりしていました。けっこう大変だったので、印象に残っています。
――けっこうと言うか、メチャクチャ大変そうですけど。
中野さん そう言われればそうですね。断水も1ヶ月ほど続きましたし。
――身の危険を感じることはなかったのですか?
中野さん とくにはなかったですけど、いつも朝礼をやっていた場所が土砂崩れでなくなりました。タイミングが悪ければ、全員死んでいましたね。
技術研究所のイメージと実際の仕事にギャップ
――正木さん、入社してからこれまでで印象に残っていることはなんですか?
正木さん 技術研究所で勤務したことです。勤務する前は、ずっと部屋にこもって研究しているイメージを持っていたのですが、実際はそうでもなくて、共同研究で大学の先生と打ち合わせをしたり、外部とのつながりが思いのほかあったので、イメージとのギャップがあったので、印象に残っています。
立野ダムで印象に残っているのは、台風が接近したときです。台風の威力はスゴいなと思いました。
自分がつくった道路を通ったとき、「なんか良いな」
――海老原さん、これまでで印象に残っている仕事はなんですか?
海老原さん やっぱり、自分がつくったものが完成したときが印象に残っています。立野ダムはまだ完成していませんが、だいぶカタチができあがりつつあって、それを日々実感できるのは「良いな」と思っています。大変ですが、日々充実していると感じています。
前の現場は、中学校の道路造成だったのですが、完成した後、「ああ、あそこは大変だったなあ」とか思いながら、自分がつくった道を自分の車で通ったときは、「なんか良いな」と思いました。
――休みはなにをしていますか?
海老原さん 最近結婚したので、奥さんと一緒にあちこち出かけています。奥さんはこっちに連れてきました。
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設計を勉強したら、また現場に戻りたい
――自分は成長したなと思いますか?
新田さん 1年目に比べれば、成長したと思います。
――やはり、ダム完成を見届けたいですか?
新田さん 11月に異動するので、完成を見届けることはできないのですが、完成したら見に来ようとは思っています。
――立野ダムでの勤務を振り返ってどうですか?
新田さん 西松建設は「ダムに強い会社」であり、「現場力」を強みとしている会社です。立野ダムの現場に来たのは、西松建設という会社の強みがわかるだろうという考えがありました。
実際に現場で働いてみると、もともとの設計通りにいかないとか、いろいろな問題が起きました。そういった問題一つひとつに対して、議論を重ね、対策を講じながら、現場を前に進めてきています。上司や先輩方は、スゴいなと思っています。私自身も、土木に関わる人間として、問題に直面したときに、これまでの経験や知識を活かしながら、問題を乗り越えられるようになりたいと思いました。
――異動先はどこの現場ですか?
新田さん 現場ではなく、本社の設計部です。私が希望したんです。新規の設計ではなく、現場支援の業務になります。現場に適していない設計作業などに従事する予定です。
――なぜ設計部を希望されたのですか?
新田さん 若いうちに設計業務を経験しておきたいと考えたからです。そして、設計を経験したら、再び現場に戻りたいと思っているんです。
正木くんが言っていたように、現場を知らないで設計をしても、机上の理論でしかないと思っていて、だから最初は現場を経験しておきたかったんです。逆も然りで、設計を経験したからこそ、現場で活かせることもあると思っています。これは、入社したときから考えていたことでした。
最近、西松建設の土木系の女性社員は、内勤の割合が高くなっていて、現場に出ている女性は少ないんです。なので、自分が将来どうなるかイメージが湧かないんですけど、それでも、いずれ現場には戻りたいと思っています。