営業利益率は直近5年間で最も低い水準
営業利益は、「準大手」「中堅」では減少したものの、「大手」で増加し、総計で利益額は前年同期比5.0%増、利益率は同0.1%ポイントの低下となり、営業利益率は直近5年間で最も低い水準となった。40社中38社が営業黒字を確保し、前年同期比で営業利益が増加したのは、「大手」では5社中3社、「準大手」では11社中3社、「中堅」では24社中9社であり、2022年度通期の営業利益予想は、40社中22社が減益を見込む。
経常利益は、「中堅」では減少したものの、「大手」「準大手」で増加し、総計で前年同期比10.8%増、利益率は前年同期比と同様の4.3%となり、2022年度通期の経常利益予想は、40社中25社が減益を見込む。なお、特別利益は総計で前年同期比19億円増加し、特別損失は同15億円減少した。
各社の有価証券報告書等によると、40社中1社が新型コロナ関連の特別損失を計上しており、その総計は0.2億円で、昨年度の1.5億円から大きく減少。新型コロナの感染抑制や対応が進んでいる。
当期純利益は、「中堅」では減少したものの、「大手」「準大手」で増加し、総計で前年同期比12.6%増、利益率は同0.1%ポイント増加、40社中37社が黒字を確保した。前年同期比で当期純利益が増加したのは、「大手」では5 社中3社、「準大手」では11社中3社、「中堅」では24社中9社だった。2022 年度通期の当期純利益予想は、40社中23社が減益を見込む。
有利子負債は直近5年間で最も高い水準に
有利子負債は、総計で前年同期比 14.9%増となり、直近5年間で最も高い水準となり、前年同期比で増加したのは、「大手」では5社中4社、「準大手」では11社中7社、「中堅」では 24社中7社だった。
自己資本比率は、「準大手」「中堅」は上昇したものの、「大手」が低下し、総計で43.0%となり、デットエクイティレシオは、「大手」「準大手」が上昇し、総計で前年同期比0.03ポイント増加した。
営業キャッシュフローは、全階層で大幅に減少し、総計で前年同期比2968億円減少。投資キャッシュフローは、「準大手」「中堅」はマイナス幅が縮小したものの、「大手」はマイナス幅が拡大し、総計で前年同期比41億円マイナス幅が拡大した。財務キャッシュフローは、「大手」がプラスに転じ、「準大手」はマイナスに転じた。総計では、前年同期比1121億円マイナス幅が縮小した。
対象建設会社40社の一覧と平均売上高の順位
同調査では、過去3年間の連結売上高平均を基に、40社を大手(5社)、準大手(11社)、中堅(24社)の3つの階層に分類している。過去3年間の平均売上高(単位:億円)は以下の通り。
階層 | 企業名 | 売上高 |
大手 (5社) |
鹿島建設 | 19,992 |
大林組 | 19,209 | |
大成建設 | 15,916 | |
清水建設 | 15,459 | |
竹中工務店 | 12,834 | |
準大手 (11社) |
長谷工コーポレーション | 8,551 |
インフロニア・ホールディングス | 6,829 | |
戸田建設 | 5,091 | |
五洋建設 | 5,010 | |
熊谷組 | 4,372 | |
三井住友建設 | 4,323 | |
安藤・間 | 3,569 | |
西松建設 | 3,505 | |
高松コンストラクショングループ | 2,765 | |
東急建設 | 2,706 | |
奥村組 | 2,298 | |
中堅 (24社) |
東亜建設工業 | 1,999 |
福田組 | 1,826 | |
鉄建建設 | 1,755 | |
東洋建設 | 1,668 | |
大豊建設 | 1,603 | |
浅沼組 | 1,386 | |
東鉄工業 | 1,312 | |
飛島建設 | 1,233 | |
銭高組 | 1,136 | |
ピーエス三菱 | 1,109 | |
ナカノフドー建設 | 1,098 | |
新日本建設 | 1,071 | |
矢作建設工業 | 966 | |
若築建設 | 956 | |
名工建設 | 882 | |
松井建設 | 882 | |
大本組 | 746 | |
不動テトラ | 701 | |
北野建設 | 658 | |
大末建設 | 638 | |
徳倉建設 | 595 | |
植木組 | 495 | |
第一建設工業 | 485 | |
南海辰村建設 | 407 |