1年間大学院生になる
――その後は?
横江さん 政策研究大学院大学というところで、1年間大学院生をやっていました。国土交通省職員としての籍はそのままで、人事院の国内研究官という扱いで、道路空間の有効活用について研究しました。公共政策プログラムインフラ政策コースというところで、インフラ関係のいろいろな会社や地公体からいろいろな方々が来ていたのですが、同じ土木業界の中でも、業種などによって、安全管理などに関するモノの考え方の違いがあることを知ったのは、おもしろかったです。
ただ、先輩方から「GRIPSでは留学生とのパーティがしょっちゅうあって、それがスゴい楽しいよ」と聞いていたのですが、コロナの影響で、ほとんど開催されませんでした。あと、授業もオンラインばかりでした。研究も基本、1人でやる感じだったので、それはキツかったですね。
課員わずか3名。しかも全員経験が浅い

高知松山自動車道いの〜越知区間に関する資料(土佐国道事務所提供)
――その次が?
横江さん 2022年4月から今の土佐国道事務所にいます。計画課というところで、高知松山自動車道いの~越知区間、延長約20kmの区間の事業化に向けた計画段階評価などを担当しています。アンケート結果を踏まえ、どのようなルートで道を通すかなどの検討を行っているところです。
――計画課長ということで、マネジメントも仕事になってくると思われますが、どんな感じですか?
横江さん 一応課長という肩書ですが、課員は3名しかいないんです。しかも、3名とも経験が浅い状態です(笑)。なので、他の課の方々に協力していただきながら、なんとかやっているというのが現状です。
私はマネジメントする立場ではありますが、自分もプレーヤーとして動かないと、仕事が回らないので、けっこう動きながらやっています。
――新人課長には、ベテランの補佐をつけるという人事慣行があると聞きましたが、そういう配慮はないということですか?
横江さん ないです(笑)。
――そもそも3名で足りているんですか?
横江さん キツいですね。昨年度は4名いたのですが、減りました。
国土交通省はまだまだ働きにくい
――国土交通省の働きやすさについて、どうお考えですか?
横江さん まだまだ働きにくいと感じています。と言うのも、さきほどお話しした環境省の働き方を見てしまっているからです。昔の国土交通省と比べると、男性職員の方が育休を取得したり、少しは良くなっているとは思いますが、環境省や民間企業と比べると、まだまだだと言わざるを得ません。そもそも、国土交通省は、土木職の女性職員の先輩が少ないんですよ。
――辞めているということですか?
横江さん そもそもの採用人数も昔は少なかったですし、結婚を機に転職・退職などする方もいらっしゃいます。
――ロールモデルがいないと?
横江さん そうですね。道路系はとくに女性が少ないんです。
将来の人生設計を含め、職員の希望をちゃんと聞くべきでは?
――どうしたら良いと思いますか?
横江さん 難しい問題ですが、職員一人ひとりの希望などを聞くということをちゃんとやっていくべきなんじゃないのかなとは思います。
国土交通省の人間同士で、結婚後、自分たちの将来の人生設計をまとめて、上司に提出した方がいらっしゃいます。「この期間は2人で一緒に住めるように人事面で配慮してほしい」といった内容を提出したんです。今の希望だけではなく、将来も含めた希望を考慮できるようになれば、ちょっとは良くなるんじゃないのかなと思っています。
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