スキルアップを「給与」として評価する会社
施工:今の現場はどう?
金山:今は派遣会社を変えて、宅地造成、道路や水路・付帯構造物の整備事業に従事しています。設計変更に関わる図面や数量の作成、その他資料作成、設計施工一括業務に関わる設計業務の補助などなど、図面に関わることなんでも、という感じです。
施工:大変そうですね。
金山:はい、業務量がかなり多いです(笑)。発注者からの依頼や指示が多く、何でもやらされる感が満載です。ただ、その分勉強できることも満載ですから、苦ではありません。むしろ、これが派遣技術者として働く醍醐味でもあります。仕事しながら学習教材を提供してもらっている感じです。とてもありがたいし、今の現場に来れたことは運がいいと思っています。
施工:建設技術者の鑑ですな。不満は1つもない?
金山:現場事務所の雰囲気もとても楽しいですし、宿舎も快適です。現場と宿舎も近いので通勤は楽です。ただ、帰省するときは、遠いのでちょっときついです。不満はそれぐらいですね。残業も20~30時間程度ですし、左程多くありません。
施工:給与も満足?
金山:今の派遣会社は、自分の代わりに派遣先のゼネコンに「給料を上げてほしい」と交渉してくれるので、給与面も順調に増えています。給与アップすると、もっとスキルアップしなければならないという自分に対しての約束事にもなり、より仕事に集中できています。スキルアップを給与として評価する仕組みが、どの会社にもあれば、建設技術者を目指す若者も増えると思いますね。
施工:良いこと言いますね。派遣で働く理由は給与が良いから?
金山:それもありますが、様々な会社で働くチャンスがあり、そこでしか学べないことがあると思うからです。正社員だと、余計な(?)責任を負わざるを得ないところもあります。派遣の一番のメリットは、自分が目指すところに合わせて職場を選べる点です。将来像や目標は、その時々で変化しやすいものなので、派遣だとその変化に合わせて目標達成につながる職場を選べると思います。
施工:正社員にはなりたくない?
金山:今後はわかりませんが、今は正社員になりたいという願望はないです。でも、派遣社員をやっていると、あのゼネコンの現場は、わきあいあいとしているとか、あのゼネコンは体育会系の色が濃いとか、様々な現場の雰囲気を実際に体験できるので、正社員になるときの判断材料も増えると思っています。スキルには自信が付いてきたので、正社員になる気になれば、そこそこの企業には入れると思いますが。
施工:今後伸ばしたていきたいスキルは?
金山:施工計画立案や構造設計のスキルを身につけていきたいですね。単なるCADオペレーターだと、いずれAIなどにとってかわられる可能性があり、技術的な判断が下せるようになっていきたい。施工計画立案や構造設計のスキルは、将来必要になりそうだと思っています。技術士の資格も1次試験に合格したまま放置しているので、改めて技術士の取得を目指したいと思っています。
建設業の欠点は「自分たちの言葉」で発信しないこと
施工:じゃ、失敗談ばかり聞いてきたので、そろそろ成功した体験談も簡単に聞いておきます(笑)。
金山:そうですね(笑)。自分で成功したという達成感があったのは、初めてやった施工管理で、補強土壁をしっかり立てられたことですかね。わからないことだらけで、あたふたしましたが、他の職員の方々や作業員さんのご尽力でうまくできました。
施工:土木技術者としての心得とかありますか?
金山:心得というと大げさですが、私は土木工事を中心に構造設計やAutoCADオペレーター、施工管理等を経験してきた中で、工程が遅れないようにすることを最も重視するようになりました。設計変更や計画が遅れてしまうと、現場の作業にも影響が出ることがあります。それが原因で工程が遅れてしまうことはどうしても避けたいと思って働いています。当然のことですけど。
施工:では最後に、建設業の現状について一言よろしくお願いします。
金山:建設業は、自分の考えや「こうしたい!」というのを、現実世界で形にできることが楽しい仕事です。モノづくりに共通するところだと思いますが、経験を積むほど楽しくなる仕事です。
で、建設業の一番の問題点は、建設業に従事する方々が自分の言葉で外に発信していないことだと思っています。どうしても内向きの文句ばかり聞こえてきて、これでは業界は良くなりません。そういう意味で「施工の神様」は、本当の意味で、建設業の救いの神様になるのではないでしょうか。
施工:それはないでしょ。ところで、けんせつ小町と一緒に働いたことはありますか?
金山:今の現場に一人います。フットワークが軽く、広い視野を持っている方で、こっちも勉強になりますよ。
施工:やっぱりね。
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