「施工図チェック」は、出来上がりをイメージしよう!
平面詳細図などの施工図をチェックする上で大切なのは、出来上がりの形をイメージしながら施工図をチェックするということです。具体的には、たとえば「小壁」の取り扱い方などによく現れてきます。
設計図通りの寸法だと建具の周囲に、小さな面積の壁(幅20mmとか)が出来ることがあります。設計図にどこまでも忠実にチェックするだけなら、そのままでも正解ですが、幅が20mmの部分に石膏ボードを貼る必要がありますし、その上にクロスを貼る必要もあるはずです。このような幅の狭い所の施工は非常に困難ですし、品質的にもあまり良くはありません。
小壁が出来る場合は、壁や建具を若干調整することにより、壁を枠に差し込むように納めてしまえば、小壁が発生せずに施工性が劇的に向上し、なおかつキレイです。このような提案は基本的に施工者側が行なうべきです。何の提案も行わずに「設計図通りだから」とそのまま施工する建築施工管理技士よりも、「このようにすると納まりが良いですよ」と提案する建築施工管理技士のほうが、設計事務所側からも信頼されやすいでしょう。
しかし、建物の出来上がりをイメージして「事前に提案できる」レベルになるには、ある程度の施工上の「失敗」と「経験」が不可欠です。私も建築現場で作業員さんから「おい、こんな所にどうやってボード貼るの?」と言われて、「う~ん、確かに」と現場で立ちすくんだ経験が何度となくあります。作業員さんに注意されるのが嫌で納まりを提案するという側面があるのも本音です。