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現場を変えていく: 施工を変える新たなテクノロジー

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三ツ橋 象平
公開日:2017.09.15
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現場を変えていく: 施工を変える新たなテクノロジー
目次
  1. 求められる建設技術者のテクノロジー活用能力
  2. BIM / CIM
  3. クラウド(クラウドコンピューティング)
  4. 3Dプリンター
  5. ドローン
  6. ロボット
  7. ビッグデータ、IoT、AI
  8. テクノロジーを知ることでテクノロジーに寛容になる

求められる建設技術者のテクノロジー活用能力

施工の未来を変えていく新しいテクノロジーが次々登場している。3Dプリンターやクラウドコンピューティング、ロボット、ドローン、ビッグデータ、IoT、AI、VRなどのハイテクノロジーが施工分野に積極的に進出してきているのだ。

おそらく現場で多忙な建設技術者の中には、上述したテクノロジーを自分とは無縁と考える人もいるはずだ。私の経験上、アルファベット表記を口にしただけで現場担当者にそっぽを向かれることは多い。だが、これからの施工現場はテクノロジーと無縁であるわけにはいかない。テクノロジーは間違いなく現場に広がっていくし、これからの建設技術者にはテクノロジーを活用していく能力が求められる。

そこで今回はテクノロジーの到来に向けての予備知識をつけるために、各々のテクノロジーの概略をざっくり説明する。

BIM / CIM

BIMはビムと読む。Building Information Modeling (ビルディング インフォメーション モデリング)の頭文字をとったものだ。CIMはシムと読む。Construction Information Modeling (コンストラクション インフォメーション モデリング)の略である。両者は似たような概念なのだが、細かく言うと異なる。しかし今の所はBIMは建築向け、CIMは土木向けとだけ覚えておいてほしい。

BIM / CIMはどちらも3次元設計を意味する。3次元は3Dと略されることが多いので、この記事でも以下は3Dと略す。図面は通常紙、つまり2次元(2D)で描かれる。だが知っての通り、立体の物を平面で描かれると完成形のイメージが湧かないことも多い。一番よくあるのは、完成形のイメージが設計者と施工者で食い違っているケースで、「思っていたのと違う」ということが2Dだとよく起こる。これを解消するのに有効なのが3Dである。3Dであればイメージが食い違うことは起こらない。また設計者側も自分のイメージと自分で描いた図面が異なっていることに気付きやすい。

また建築物の設計は意匠、構造、設備と分かれて設計されることが多い。これらの図面が合わさった時に干渉や取り合いが発生するのだが、2Dだとその検証は人が行うため見落としも多い。その結果、現場で初めて干渉に気付き、設計変更を余儀なくされるケースはしょっちゅうある。私自身の経験でいえば、本当にしょっちゅう起こるので設計者に怒りすら覚える。

だがBIM/CIMはこれらの問題を解消してくれる。3Dであれば人の目でも干渉が見抜きやすい上、コンピュータで自動で干渉をチェックする機能もあるからだ。また2Dと異なり、図面の不整合も起こりにくい。そのため現場での出戻りが少なくなり、工期も短縮できる。

クラウド(クラウドコンピューティング)

クラウドとは英語で雲のことである。これはインターネット上の直接目に見えないコンピュータを使うテクノロジーのことで、使ってはいるものの実体がないため、雲(クラウド)と呼ばれるようになった。

クラウドは今や色々なところで浸透しているので聞いたこともある人がいると思う。また意識せずにクラウドコンピューティングを利用している人も多いはずだ。例えば、もしあなたがスマホで音楽を聞いたり、YouTubeで動画を見ていたら、あなたはクラウドコンピューティングを利用している。楽曲も動画もインターネット上のコンピュータで管理されており、必要に応じてダウンロードやストリーミングという技法で配信している。

では、クラウドがどのように施工を変えるのか。まずは図面や書類の管理である。これまで図面を渡す時どのようにしてきただろうか。紙で手渡し、USBで保存、大容量メール便などのサービスによる送付。恐らく多くの人はこれらのいずれか、あるいはこの全てを利用している。

この結果、私たちは以下のようなリスクを負っている。

  • 図面をなくす
  • 最新の図面がどれかわからない
  • 図面が差し代わったことに気づかない

このようなリスクは私たちを常に不安にさせている。例えば、図面の入った書類やバズーカを持って、酔っ払ってはいけない。タクシーの中に置き忘れるかもしれないからだ。またポケットの中にUSBを入れたままにしておけない。どこかでなくすかもしれないし、間違って入れたまま洗濯してしまったら大変なことになる。さらに図面が最新なのかどうかは定期的にチェックしなければいけない。気づかないうちに変わっていたら大変なことになる。また元請けやサブコンの担当者が図面が最新かどうかちゃんとチェックしているのかも心配しなければならない。現場監督が最新の図面を持っているかどうかわからないし、仮に現場監督がそれを知らないまま施工をしたら、責任は施工した側が受け持たなければならないかもしれない。

このような不安をクラウドなら解消できる。なぜならクラウドはインターネット上で最新の図面と繋がっているからだ。紙やUSBで手渡しする必要もないし、最新の図面はいつでもクラウド上にあるので、現場監督が気づかなくても、施工者が先に気づくことができるかもしれない。

3Dプリンター

3Dプリンターとはその名の通り3Dで印刷してくれるプリンターのことだ。文字通り立体のものが印刷されて出てくる。多くの3DプリンターはABS樹脂やPLA樹脂といったプラスチックを原料に印刷するが、最近では金属やセメントもプリントできるものがある。そんな高度なものうちでは導入できないと思うかもしれないが、プリンター自体はAmazonで3万円ほどで購入できる。

3Dプリンターがあれば、上述したBIM/CIMなどの3Dモデルを印刷することができる。あらかじめ建造物を印刷しておけば、コンピュータの画面に慣れていない人でも全体像を理解しやすくなるし、複雑な取り合いがある部分を印刷すれば施工もしやすくなる。

また欧米ではセメントで出力できる大型の3Dプリンターを使って、躯体そのものを印刷するという実験的な試みも行われている。これはまだ実験段階だが、将来的にはコンクリ打設をロボットで自動化できるようになるだろう。

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この記事を書いた人

三ツ橋 象平
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1987年生まれ。青山学院大学大学院理工学研究科修士。株式会社大林組に入社。設計・施工に従事後、システムの企画・開発を行う。その後、オートデスク株式会社に入社。テクニカルスペシャリストとして従事。現在は外資系コンサルティングファームにて建設業、製造業のコンサルティングに従事。
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