施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

現場を変えていく: 施工を変える新たなテクノロジー

  • 技術を知る
公開日:2017.09.15
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有

ドローン

ドローンは土木でも一般的になってきた。いわゆるラジコン飛行機のようなものだが、センサーやカメラを搭載することで施工への活用が可能になった。3Dスキャナーと呼ばれる3D計測器を搭載したドローンは広範囲の地理データを取得するのに便利だ。

またカメラを搭載したドローンは人間が目視で確認することが難しい場所の確認に大いに力を発揮する。橋脚のように人が降りて確認することが困難な場所や、屋根などの点検が楽になる。

さらに将来ドローンの技術が高まれば、ドローンを使って物を運ぶことが可能になる。例えばこれまで重機を利用しなければ運ぶことができなかった物をドローンが運べるようになれば、重機の稼働が少なく済むようになり、かつ作業範囲を狭くすることもできるかもしれない。

ロボット

ドローンもロボットのひとつなのだが、現在のロボティクスの発達は物理的な作業が発生する現場に非常に有効な手段だ。

まずこれまで人が搬送していたものはロボットに任せることができるようになる。一輪車の代わりに、ロボットがセメントを運ぶ日はそう遠くはない。またロボットが必ずしも自立して動く必要はない。例えば人間にかかる負荷をロボットがアシストすることも可能だ。重たいものを運ぶのにロボットが筋肉をサポートすることで負荷が軽減されれば、作業員の負担も減り、作業効率は上がるだろう。

また溶接や塗装といった、すでに製造業でロボット化が進んでいるものは、今後現場にも浸透してくる。これまで現場のロボット化が進んでこなかった背景には現場が一時的で、変則的なものであることが理由だが、ロボットのモビリティ化が進むことで、一時的で変則的な作業にもロボットを適用できるようになる。

ビッグデータ、IoT、AI

ビッグデータ、IoT、AIの3つは個別のテクノロジーとして紹介されることが多いが、それぞれが巧みに連携している。まず言葉の説明から始めよう。

ビッグデータとは大量のデータのことだ。では大量とはどの程度のことなのかというと明確な定義は存在しない。ただ一つ言えることは人間が解釈するには多すぎるデータのことを指すのが一般的だ。例えば気象庁の天気データベースには、40年分の天気のデータが地域と時間ごとに蓄積されている。ちなみに1976年9月1日の東京の気温は27.7度だ。このようなデータを解析することで新しい知見を見いだすことができるというのがビッグデータの目指すものだが、そもそもデータを集めるにはセンサーが必要になる。

そこでIoTが出現する。IoTとはInternet of Thingsの略称で日本語ではモノのインターネットと訳されている。個人的にはこの日本語訳はあまり好きではない。モノのインターネットと言われても何のことだかさっぱりわからないからだ。個人的にはモノのネットワークという訳がぴったりくると思っている。それはさておき、IoTとはモノとモノがインターネットを介して繋がるという概念だ。ではモノとは何を指すのかというと、実は何でもいい。スイッチでもいいし、冷蔵庫でもいいし、センサーでもいい。

一番わかりやすいのはセンサーだ。今でも空調機にセンサーがついて温調が行われているが、このような軽装がインターネットに繋がりデータがやり取りされるところを想像してもらいたい。センサーはいろんなビルについているから、それらを全てインターネットにつなげれば都市全体、あるいは日本全体のエネルギー消費量を求めることができる。これを応用して、発電量を調整すれば発電に使われている石油を減らせるかもしれない。

現場であれば一番のデータの発生元は人だ。人のデータの活動量は現場の生産性を求める指標になる。市販されている活動量計から時間ごとの活動量を取得し、現場全体でどれくらいの活動量が発生しているかを求めれば、現場の作業量を定量化できる。例えば活動量を出面で割れば、一人当たりの生産性を求めることができる。これを日毎に分析すれば「夏の方が生産性が低く、秋の方が生産性が高い」とか気温の変化が生産性に与える影響を調べることができ、現場の環境改善に向けた取り組みを促進しやすくなる。

さらに、これらのデータをAIに持ち込む。AIはArtificial Intelligence (人工知能)の略称だ。AIは大量のデータを取得して関連性を導いたりする能力に長けている。一見関連性の見えないものの間に、新しい解釈を与えてくれるかもしれない。例えば「高所作業の安全性はコンクリートの打設量に反比例する」など、なぜかはわからないがデータからそのような関係性が導かれるというものもある。昔の人は経験的にこのような事例を知っていてことわざにもなっている。「風が吹けば、桶屋が儲かる」である。

テクノロジーを知ることでテクノロジーに寛容になる

新しいテクノロジーは受け入れられにくい。これは事実だ。新しいものは使われないし、従来のやり方の方が優れていると感じやすい。だが、予備知識があると人は多少寛容になれる。これを私は恐怖を克服すると表現している。新しいものは恐怖だ。何が起こるかわからないし、間違った操作をすればとんでもないことになるかもしれない。

私は家に初めてコンピュータが来た時のことを覚えているが、その時は電源のスイッチを押すだけで爆発するかもしれないと本気でヒヤヒヤしていた。だが、コンピュータを使っていくうちにそのような恐怖は消えていったし、コンピュータの仕組みを理解することで、その活用方法を考えることができるようになった。

全てのテクノロジーを完璧に理解する必要はないが、それが何かぐらいは理解しておくと新しいアイデアにつながる。ただ、そのためには新しい情報を随時仕入れていく必要がある。この記事が情報収集の一役になれれば幸いである。

«12
  • この記事をシェアする33
  • この記事をツイートする0
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
建設業を救うのは「群馬建協」!? 全国初、ICT施工の新たな試み
建設業を救うのは「群馬建協」!? 全国初、ICT施工の新たな試み
「地方こそICT施工が必須」群馬県建設業協会が挑む全国初の試み 建設業における生産性向上は最重要課題だ。少子高齢化・人材不足が避けられない中、国土交通省は生産性向上として情報通信技術ICTを、「土工」「舗装」などの建設現...
「女子がときめく現場代理人」になるための7つの条件
「女子がときめく現場代理人」になるための7つの条件
女性目線で「ステキ!」と感じた現場代理人 設計監理の立場で仕事をしていると、現場代理人の方と話をする機会が多くなります。仕事ができる監督さんはもちろん素敵だと思うのですが、仕事ができる上に「ときめき」を感じてしまう現場代...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
Google、Appleを超える? 土木測量を変革する「テラドローン」COO関鉄平氏にインタビュー
Google、Appleを超える? 土木測量を変革する「テラドローン」COO関鉄平氏にインタビュー
テラドローンの正社員求人[PR] 建設業の生産性向上を加速するテラドローン 建設系メディアでは、連日のように「i-Construction」という言葉が飛び交っている。2015年11月に石井啓一国土交通大臣がi-Cons...
ニッカポッカ絶滅の危機!「安全vs伝統vsオシャレ」どれを優先すべきか?
ニッカポッカ絶滅の危機!「安全vs伝統vsオシャレ」どれを優先すべきか?
ニッカポッカが建設現場から消える? 最近、若い作業員さんを現場で見かけることが減っています。そのせいかニッカポッカ(ニッカボッカ)姿もあまり見なくなりました。四超ロングなんて、もはや死語かもしれません。 昔、若い作業員と...
AIに期待しすぎ。建設業を改善するのはAIではない、現場監督だ!
AIに期待しすぎ。建設業を改善するのはAIではない、現場監督だ!
「AIは人の代わりになる」建設業のAI待望論は正しいのか? 国土交通省は「ITを活用した建設現場の生産性の向上」を目指して、i-Construction施策に取り組んでいる。 日経BP社は「日経アーキテクチャ」と「日経コ...

この記事を書いた人

三ツ橋 象平
この著者の他の記事を見る
1987年生まれ。青山学院大学大学院理工学研究科修士。株式会社大林組に入社。設計・施工に従事後、システムの企画・開発を行う。その後、オートデスク株式会社に入社。テクニカルスペシャリストとして従事。現在は外資系コンサルティングファームにて建設業、製造業のコンサルティングに従事。
現場を変えていく: 施工を変える新たなテクノロジー 現場を変えていく: 施工を変える新たなテクノロジー

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • 技術を知る
  • 現場を変えていく: 施工を変える新たなテクノロジー

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様