BIMとSLAMの連携で、施工の自動化を目指す
安藤ハザマと株式会社イクシスは、建築工事での施工自動化装置の基盤となる「BIMデータと連携した自律走行ロボット」を共同開発した。
「自律走行ロボット」は、建築工事の施工を自動化する上で、ロボットが建物内のどの位置に存在しているかを高精度に認識するために開発したもの。
ロボットは、位置を測定するための「プリズム自動追尾型測量機」とロボットの移動指示と位置確認を行う「位置認識・移動制御システム」から構成され、BIMデータと連携した自己位置認識技術(SLAM)で制御されている。
建築現場における材料の取り付け作業やそのアシスト、資機材の運搬や検査・点検など、さまざまな作業の自動化装置にロボットの技術を搭載することで作業を省力化し、生産性の向上が期待できる。
ロボットの位置を3次元座標で把握
ロボットは、BIMデータと連携した自己位置認識技術を搭載し、自律移動するのが特長だ。ロボット上部の四隅に360°プリズムを設置しており、ロボットの位置を3次元座標(X,Y,Z)で確認でき、向きや傾きも測定できる。
測量機から検出しやすい1カ所のプリズムを順次露出し、それ以外を遮蔽する機構とシステムから測量機の向きを制御する機構のため、複数のプリズムを自動検出することも可能とした。

BIMデータと連携した自律走行ロボット / 安藤ハザマ(http://www.ad-hzm.co.jp/info/2019/pre/20190619.html)
また、システムの画面に表示されるBIMデータ(3次元モデル)の描画には、ゲームエンジンを採用。タブレットや汎用パソコンでも快適な動作ができるように設計した。

位置認識・移動制御システム / 安藤ハザマ(http://www.ad-hzm.co.jp/info/2019/pre/20190619.html)
安藤ハザマとイクシスは、「ロボットの軽量化および自己位置認識技術の高度化を図り、施工の自動化技術と連携した装置を開発・実用化し、現場への展開を目指していく」としている。
建設業界では、技能労働者不足から、生産性の向上と共に魅力ある産業への変革が喫緊の課題だ。現場作業の効率化、苦渋作業や危険作業の削減対策として、建設業界での自動化技術の発展が期待される。