トンネル工事の粉塵吸引システム

トンネル工事の粉塵吸引システムとは、清水建設によって開発されたトンネル工事における高効率な粉塵除去システムのことで、原理的には、集塵機の吸込口を切羽直近の発生源まで引き伸ばして吸引するものである。尚、従来型の換気システムは厚労省のガイドラインに規定される目標値(濃度3mg以下)をクリアするものの、送気管から直流する新鮮な空気と汚染空気が混在することで、粉塵低減率が悪化してしまうことが懸念されていたため、トンネル工事の粉塵吸引システムにおいては、送気口に特殊噴出ダクトを装着することで、掘削断面サイズに応じて風速・風量を制御/均一化し、かつ切羽10m地点にエアカーテンを形成することで発生源における吸引と切羽からの汚染空気の拡散防止に寄与することで、坑内環境が大幅に改善される点が特筆される。ちなみに、トンネル工事の粉塵吸引システムの適用によって、切羽10m地点の粉塵低減率は98.3~99.8%とされ、粉塵濃度計/集塵機ファン/伸縮ダクト/自動かき出し装置などの機能付加により、更なる作業負荷の低減/省エネに貢献することで坑内環境の最適化が期待される。

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