材料検収におけるゼネコンとプラント屋の違い
ALC材の搬入当日。2tトラックに載せられた20枚程度のALC材が運ばれてきました。
その現場では、ALC材を2ヶ所に分けて荷下ろしするので、とりあえず現場事務所の前のスペースにトラックを停めて、私が荷台に上がりました。
各寸法を測って仕様通りであることを伝えて、元請けの監督さんに写真に入ってもらおうとお願いしたときに、こう言われたのです。
「材料を荷台からおろさないの?」
私はとっさに、こう答えました。
「建築ではおろさない事も多いです」
建築の現場では、材料を荷おろしするということは「材料検収で合格した材料」であることを意味するからです。だから、鉄筋や杭などの重量物の材料検収では、大型トラックに材料を載せたままで写真を撮るのが常識だと思っていました。
しかし、プラント屋さんの考えは違ってました。機械類などの材料について車上で材料検収を行うと、写真を撮影した後、現場におろさずに持って帰られてしまう可能性があるそうです。なので、クレーンなどを使って車上からおろしてから材料検収をするのがプラント屋さんのやり方だと言うのです。
結局、元請けの監督さんの要望通りにALCを一旦車からおろして写真を撮ることにしたのですが、私にしてみれば余計な労力だったことは言うまでもありません。
まさにプラント屋さんを「異業種」だと感じた瞬間でした。
建築の知識を「広く」「深く」習得するのは無理?
プラント屋さんの一次下請けとして建設会社が入ることは、清掃工場などの工場系でしばしばあります。ですが、会社によっては、自分はプラント屋さんとは一切関係ないと感じている建築技術者も多いでしょう。
しかしながら、自分とはフィールドの違う「異業種」の人たちと話すことは、新しい発見を得るチャンスでもあります。自分が知らなかった知識に気付かされることも多いので、単調な毎日では飽き飽きしてしまう私にとっては刺激的な瞬間です。
昔、先輩からは、とりあえず「広く浅く」知識を習得して、それから少しずつ「深く」知識を習得するようにと言われました。しかし、建築にまつわる知識は「広く」「深く」習得しようとすると、とても膨大で、まるで大海原にボートで漕ぎ出るくらい果てしないもので、全ての理解は不可能だと諦めてます。
でも、建築現場で現場管理の仕事をしていると、本当に膨大な知識が必要だと日々実感しますので、少しでも「広く」「深く」知識を得るための努力はしていきたいと考えています。
みなさんはいかがでしょうか?