「ペンキついちゃった」歓声が止まらない真夏の作業
小暑感じる、7月22日の土曜日。白線引き本番の日となった。予想を大きく上回る参加者。教頭先生をはじめ、4人の先生。父親応援団も10名を超える。「私もやります!」フリーで加わった保護者や、その子供も合わせると30名以上となった。大きいクーラーボックスにはドリンクも準備してある。
作業の説明を頼まれたが、作業手順等の堅苦しい説明はこの場の空気に合わないどころか、やる気もテンションも下げてしまうと思った。「たのしく作業しましょう、熱中症に注意して下さい」これで十分だった。
参加された皆さんの輝く瞳を見ると、なぜか胸から熱いものがこみ上げてきた。団長も日差しの眩しさか、目を細める。
いよいよ作業開始。初めにペンキがはみ出さないように白線の両側にビニールテープを張る作業をやった。ここでも建築士のSさんは、テープが曲がらないようにまっすぐ張れるように糸をはった、馬鹿棒(道具)を自作、用意してくれた。
テープを張る役、ペンキを塗る係。作業は順調に進んだ。「テープ曲がっちゃた」「ペンキついちゃった」子供や保護者の歓声が止まらない。真夏の到来を思わせる太陽の下、皆の顔や腕には汗が光る。
土木技術者冥利に尽きる瞬間
白線のペンキが乾き、ビニールテープをはがす作業を始めた。楽しそうに子供たちが、大人たちが、慎重にテープを引っ張り、はがす。真黒なアスファルトに、真っすぐに、そして真っ白な白線が、車30台分完成した。
「白い線、輝いてるね、お父さん」6年生の児童が汗をぬぐいながら笑顔満点でいった。「○○ちゃん、頑張ったからね」褒められて照れる児童の姿を見て、何気ない親子の会話に感動した。小学校最後の夏の思い出となれば嬉しい。
参加者全員で記念写真撮影の後、私は団長と思わずハイタッチ。先生や参加者の皆さまと握手をした。保護者の方々や児童達と一緒に、リアルに感じることができた「物が形になる喜び」と「人の役にたてる実感」そして「土木技術者冥利に尽きる瞬間」。
地域の方々と心を通わせ、一緒に汗を流して作業をする。これが土木技術者の理想とする社会貢献であり、また自然の姿であったらよいと想った、夏の駐車場整備であった。
こういうの、いいですね!
土木は人々のために行う仕事。
派手ではない、縁の下の力持ち。
一見人から見えにくい。でも絶対必要。
これこそ、土木の魅力。
まあ土木作業員なんて世間一般では冷ややかな仕事ですもんね。哀れだからたまにはこういった場で誉めてあげてやるのが情けでしょう。