井上組が社内に「駄菓子屋コーナー」を設置した理由とは?
そんな井上組の社屋内には、風変わりな一角がある。「駄菓子屋」コーナーだ。なぜ、建設業が駄菓子屋をしているのか。3年前、「子どもの笑顔を見れる場所があったらなあ」という井上社長の思いつきが発端。最初は小さな台に少量の駄菓子を並べていたが、次第に子どもが増え、数が足りなくなる。「じゃあ」という事で、より大きな台にできるだけ多くの種類、数の駄菓子を並べることにした。
価格はほぼ原価で、「ほとんど利益はない」が、毎日のように建設会社に駄菓子を買いに行くことを通じて、「建設会社に親しみを持つ子どもが増え、おとなになったら井上組で働きたいという子どももいる」そうだ。駄菓子屋に食いつくのは子どもだけではない。普段出入りのある銀行の営業マンが往年の「ビックリマンチョコ」を箱買いしたことも。駄菓子の思い出は、後々まで引きずるものらしい。
同業他社のなかには「おかしなことをしている」と冷ややかな目もある。ある意味、当然の反応だろう。その一方で、「これは良いね。ウチでもやろう」と、同じく駄菓子屋を始めた会社も数社ある。また、この話を徳島大学の防災専門の先生にしたところ、「駄菓子の備蓄は、災害発生後の非常食になる」と賞賛される。こういうことがあるから、世の中というものは、わからないものだ。井上社長いわく、「徳島大学の防災展にも駄菓子を出品する。今、駄菓子ブームがきている」そうだ。
建設業と駄菓子屋。はた目には全く関係ないと思われるが、「決してそうではない」と言う。「例えば、夏場はチョコが溶ける。仕入れるなら、涼しい季節の方が売れる。この現実感。現実を直視する土木の施工管理と共通する部分がある」からだ。ユニークな視点というほかない。最初は井上社長自ら仕入れていたが、現在、仕入れは「プロ並み」の女性事務員に任せている。普通は、仕事が増えると嫌な顔の一つもしそうなものだが、「どんな仕事よりも楽しそうにやってくれている」と言う。機会があれば、本人に確認したいところだ。
「会社は、経営者の人格以上には発展しない」という言葉がある。株式会社井上組が今後どのような発展を遂げるのか。井上社長がまた何をやらかすのか。少なくとも、私には井上社長の人格の底は、今はまったく見えない。
最後に、建設業界への提言は?という質問にこう答えた。
「今の政府は働き方改革を進めているが、それを指導する立場の霞が関では月300時間の残業を強いられている。1日10時間の残業だ。各省庁のエース達が過労のため、50代前半で体調を崩し、多くの方が早期に亡くなっているのが現状だ。その現実に非常に衝撃を受けている」。
「電通の事件で月100時間の残業だが、霞が関は300時間。私たちを指導する霞が関の働き方改革も改善される必要があり、睡眠時間や休暇を確保する必要がある。それらへの働き方改革の追い風の一風にもならないとは思うが、田舎の建設業として、働き方改革に真摯に取り組んでいかなければいけない」。
いろいろと考えさせられる指摘だ。
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だからどうしたという感じですかねー!
駄菓子屋?
話題づくりはいいですが、利益上げてなんぼの世界で、、、、!
逆にこれして何か成果あったのかな!