現場を確認しないで公共事業を発注する役所
子供たちの夏休みが始まる頃、○○市の公園課から、修繕の発注がありました。「駐車場や駐輪場から公園までの導線周りの草刈りをしてもらいたい。1日で終わるはずだから、明日までに終わらせてほしい」と。
私は「わかりました、ありがとうございます!」と返事をして、翌日、現場の公園に向かいましたが、その光景に唖然としました。
草は人の背丈を遥かに超えて青々と茂り、厄介なツルが四方八方を巻き込んでいます。アスファルト舗装の歩道は、草に覆われて全貌が見えず、作業員たちは呆れ顔で「なんでこんなんなるまで、ほっとくんやろ?」とぼやきます。
おそらく前回の整備(草刈り)から、1年ほど放置されていたのでしょう。とても1日で草刈り作業が終わるワケがありません。
「これを1日でやるのは無理やで!」と作業員たちは怒り気味。真夏の草刈りは作業効率がおのずと下がりますし、作業員の熱中症も心配です。しかし、役所の担当者に最初から「1日では無理です」とは言えません。とりあえず作業を開始し、一生懸命に草を刈りましたが、やはり1日では無理だったので、役所の担当者に電話しました。
私「やるだけやっていますが、流石に今日中には終わりそうもありません」
役所の担当者「えー?なんで?それは困ったなあ」
私「〇〇さん、現場を見られました?」
役所の担当者「いや、写真で見ただけだけど」
(私は現場も確認してないのかと呆れました。)
・・・その後、役所の担当者が現場に来られて、自分の目で現状を確認。
役所の担当者「うへー、こんなに、生い茂っていたの?これは1日では無理やね!とりあえず、歩道にはみ出した分だけ刈って下さい」
私「いやいや、また直ぐに伸びてきますし、草の奥には枯れた街路樹もありますよ!街路樹も撤去した方が良いのでは?」
役所の担当者「予算もないから、はみ出した草だけ刈って下さい」
とりあえず言われた通りの作業でその日は終了したのですが、これが後々、もっとお金が掛かる災害に繋がるのでした。