工事の進捗や原価に影響する工事打合せ簿
工事打合せ簿の善し悪しは当然、工事の進捗や金額にも影響する。
発注者から承認をもらうことができなければ、次の施工ステップに進むことが困難になってしまう。さらには増工事分の費用を認めてもらえない事態も発生するかもしれない。
説得力のある書類を迅速に書くことに慣れることこそ、工事を順調に進める早道となるかもしれない。
そこで今回は、工事打合せ簿の中でも特に重要な「協議書類」の作成ポイントを7つ考えたい。
工事打合せ簿を書く7つのポイント
工事打合せ簿の作成ポイントを考えるにあたって、例として「軟弱なため、車両の通行が困難な工事用道路をなんとかしたい」という協議書類を構想する。国交省の河川工事で実際に私が提出したものだ。いつもどおり、数回の追記や手直し後にようやく承認された協議書である。
1. 題名をつける
協議書は発注者の工事担当職員だけが精査するとは限らない。監督員、主任監督員、その上司や検査員、さらには会計検査官も調べる場合もある。いきなり「工事用道路がぬかるんでます。砂利を敷きたいのでお願いします」とは書かない方がよい。工事用道路が工事のどの工種に属して、該当場所はどこか、くらいの情報は書きたい。「仮設工 工事用道路 起点付近についての協議」とツリー形式で題名をつければ理解しやすいと思う。
2. 課題を書く
この書類ではまず何を協議したいのか。先に要旨である課題を記述するとわかりやすい。「距離標右岸○○km付近側道。工事用道路のトラフィカビリティーを改善したい」このように書けばどうだろうか。「工事道路が軟弱なんだな」と想像できるのではないか。
3. 問題点を書く
次になぜ、工事用道路のトラフィカビリティーを改善したいのか、ここで論じたい。ボトルネックとなる問題点を述べて協議の理由を明確にする。「ダンプトラック走行に必要なトラフィカビリティーが得られない」等、可能な限り専門用語も交えて書く。協議場所の写真等も添付すれば、いっそうわかりやすいと思う。
4. 現況を数値で示す
次に監督員が知りたくなるのが現状の状態だと思う。現場は現在どのようなのか状況を詳細に示したい。簡易的な計測機械でもいいので、土の状態を数値で示す。例えば、「コーンペネトロメーターによる地盤強度の測定をした。ダンプトラックの走行に必要なコーン指数値は得られなかった。」と工学的な根拠を数値で示すとよいと思う。
5. 努力を見せる
現場で可能な対策は講じて、そしてその結果はどうか。技術的に体を動かして対策を講じていれば、さらに協議書の内容は増す。例えば「粒度分布のすぐれない土砂に対して、付近河床の土砂を混合して粒径を補いました。細粒分が多く大規模に土砂混合をしなければ、粒度分布は改善されないと判断されます」・・・実地対策が困難であれば推量案だけでもよいと思う。
6. 比較検討をする
現場で考えられる対策を数案、立案する。「1敷鉄板」「2添加材料による土質改良」「3河川内土砂の利用」「4砕石の敷設」など。代替案で作業性や工期、費用などをわかりやすく表で比較する。この星取表はぜひ、つけて欲しい。協議書のクオリティーが格段と上がり、説得力が増すからだ。
7. 対策の根拠を添付する
結論を「4砕石」の敷設に決定した場合は、必要な厚さをどう求めたかCBR計算等、根拠となる計算式も必要となる。使用した公式等があれば引用先、文献等のコピーを添付したい。立案した対策に係わる工事費も発注者の気になるところだ。積算データの内訳も合わせて提出したい。
工事打合せ簿を書くポイントをまとめると、次の7つになる。
- 題名をつける
- 趣旨(課題)を書く
- 問題点を書く
- 数値で示す
- 努力を見せる
- 比較検討をする
- 対策根拠を添付
設計変更の無い現場はあり得ない。なるほどと思うフレーズを教えてもらえるとうれしいですね。
地方の建築元請です。
私の地域の公共工事では設計変更は議会承認案件なのであり得ない。
自己判断で勝手にどうぞ。本工事に関する施工責任は発生するので受注金額の増額は認めませんが自主的にプラスアルファをする分には認めてあげます。と言われますよ。
このまま図面通りに施工すると漏水するんですが・・・と質疑しても増額は認めない。漏水は瑕疵に該当するので適切な処理計画をお願いします。正当性があると認められれば認めてあげるので根拠の資料を作成して下さい。ってスタンスです。
建築ってこういうの多くないですか?設計変更を認めてくれるのは土木だけだと思ってます
地方ゼネコン、建築の人間です
私の勤める会社の地域の地方自治体は設計変更を基本的には認めません
設計数量は参考数量だ、減額は認める、増額は認めない、でも設計数量を土木基準(フカシは計量ししていない)もちろんコンクリートの強度補正は無し!でも単価は建築単価(でしょ?)
そして地域的な事もありますが、潮位を考える事が出来ないレベルなのに監理者気取り(日本全国TPで考えちゃ駄目でしょ)
3.11を見れば分かるでしょう。自然と戦っても、原則としては勝てない、勝つためにはお金と時間とスペースが必要です!
土木と建築は違います、積算基準を勉強してください(受注者にも不勉強な人いますが・・)
公共事業でさえ、ちゃんとした根拠持っても(潮位表等、公共建築工事積算基準等)潮位が分からない、数量の変更認めないって例があります
50cm以上のTPとの違いの高さによる、潮水に使った根切底に役所担当者入れてフカシ部分(土間スラブ等)の積算の瑕疵を責め立てたくなりますよ
現場独自の事はほぼ省きましたが、色んな所であるのでしょう、なぜ建築の積算できない人がとてつもなく多すぎるのか・・4%、複合単価、建築工事、これで工種が出ないのは素人では?
他の人でもありましたが地方だと建築での追加はなかなか認めないですね。
設計図、数量、条件などを入札前質疑で聞いてもほぼ無回答だし打合せ簿作成どころじゃない。