建設業界にパーティー券を売る「都民ファーストの会」
蛇足になるが、東京都内の建設企業を取材する中で、耳を疑いたくなるような話も聞いたので、付記しておく。
小池都知事が立ち上げた「都民ファーストの会」は、しがらみのない政治を標榜している。 しかし、内実は「しがらみ」も多いようだ。
小池都知事の残る任期は2年8ヶ月。「都政に邁進する」と語った一方、12月都議会は公明党からの離反もあり、厳しい局面もあった。小池旋風が落ち目になった今、しばらく選挙のない都民ファーストの会の都議たちは、それぞれ生き残りの道を模索している。11月14日、都民ファーストの会は約1,700人が参集する政治パーティーを開催したが、建設会社にもパーティー券を売りつけていた。
パーティー券は2万円。国会議員が政治パーティーを開く際の金額と同額だ。執行部からノルマが課せられた都民ファの議員たちは人脈がないため、「名簿」を頼りに、さまざまな業界団体や企業の役職者を行脚。ある議員は、建設会社の社長にこのような甘言を吐いたという。
「小池都知事とのパイプが強く、建設業界の意見も十分に反映すると口約束しますから、どうかパーティー券も票もよろしく頼みますよ」
業界団体の人間が政治パーティー券を購入し、出席することは珍しくない。国や東京都に要望の多い建設業団体であれば、なおさらである。建設業界との結びつきの強い自民党や公明党からの依頼については、「仕事の一部ですから納得して購入している」という企業も少なくない。
しかし、建設業界に対して厳しい政策を打ち出している小池都知事が事実上率いている「都民ファーストの会」までも、建設業界に「パーティー券購入」を持ち掛けていることに、建設業関係者たちは困惑を隠せないどころか、「立場上、購入したが、厚顔無恥の極みだ。しかも「都民ファーストの会の話は、空手形になる可能性が高い」と怒りを隠さない。