「来る者拒まず」で土木建築技術者を採用したい
――西田工業のリクルーティングは?
西田副社長 西田工業では5年前から社員採用に転職サイトを活用しているのですが、その前は学校の先生紹介の一本釣りでしかありませんでした。先生とのコネクション頼みでした。最近は、役員面接の前に、三回ほど面接を行うことにしています。これは、学生さんに会社のどんな人間がいるのか見せるためです。事前にある程度イメージしてもらわないと、入ってからすぐ辞めることにつながりかねません。
それとともに、社内環境を改善する必要があります。ウチの社員が「西田工業は良い会社だ」と心から言えるような状態でないと、なかなか学生は来てくれません。これは、西田工業だけでなく、建設業界全体の問題だと思っています。自分の子どもにも自慢できる会社、業界にしていかなんければいけないという危機感を持っています。まずは、社員のイメージが良くならないと、情報発信もままなりません。経営者が都合の良いことだけをしゃべっても、人は動かないです。
――全国から募集しているんですか?
西田副社長 そうです。「来る者拒まず」でやっています。それとは別に、地元の高校を回るなどの活動も行っています。
――西田工業は人が足りない?
西田副社長 足りていないですね。一人でも多く採用したいです。
西田社長 特に建築は人がいないので、目の前に仕事があっても、受注を見送ることがあります。腹いっぱい詰め込んで、仕事を悪くして、お客さんに迷惑をかけるわけにはいかないので。土木の方は、最近は計画的に仕事が受注できないので、人も計画的に採用できない状態が続いています。
西田副社長 土木建築の仕事は、人がすべてみたいなところがあります。技術者がいないことには、仕事も取れません。
――良い技術者、悪い技術者とは?
西田社長 どんな仕事でもそうでしょうけど、私が技術者に求めることは、独断専行しないことです。問題が発生したときには、必ず相談がある技術者ですね。自分のカラに閉じこもってしまうのはダメです。技術者は、機械と話をするのではなく、人と話をする仕事です。いろいろな階層の人々とコミュニケーションをとりながらでないと、仕事を進められません。その辺をうまくやることは、仕事をうまくやることに直結します。学者的に技術だけできても、仕事は前に進みません。土木でも、建築でもそうです。
西田副社長 私の考える良い技術者は、今やっている仕事が「誰のため、なんのため」なのか、しっかりわかっている技術者です。ありがちなのが、上司の目をすごく気にしながら仕事をする人間です。そういう人間は、会社での評価は高かったりするのですが、私は「そうではない」と思っています。
与えられた仕事を「こなす仕事」ではなく、「やり切る仕事」として取り組む姿勢の持ち主こそ、会社にとって必要な人材だと考えています。「仕事をこなすのがうまい」人間は、本質的なことが抜け落ちていることが少なくない、と思っています。例えは悪いですが、仮に手抜き工事をうまくやりおおせて、施主から高い評価を得て、会社も儲かったとしても、それは建設会社の仕事を本質的に履き違えています。自己満足に過ぎず、次の仕事につながりません。そもそも、建設業は「安心、安全」を提供する仕事であって、そこから逸脱するようなことがあってはいけません。技術者は、最前線で営業している人間なんです。
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