男子学生がリノベーション業界に就職したい理由
男子学生の傾向としては建築学科が多く、設計と施工いずれにも関心が多いことがうかがえた。
男子3年生建築学科の就活生は、「設計と建築どちらにも関心がある。大学生活では設計を中心に勉強してきたが、仕事では施工分野にも携わりたい。将来的には、建築士と建築施工管理技士の両方の資格を取得したい。カフェのインテリアにも関心もあり、トータルでのまちづくりにも携われたいという希望もある」と語り、設計と施工の両方にチャレンジする精神がうかがえた。
また、この建築学科の学生は「まだ就活をはじめていません。今日はセミナーということで気軽に参加しました。インターンシップもこれからです。それほど大きくない地元のゼネコンで施工管理のインターンシップをする予定です。学校の求人でも施工管理が多いです」とも語り、ゼネコンとリノベーション業界での人材獲得競争が激化している様子もうかがえた。大学の就職センターでの求人はゼネコンも多いが、建築学科の学生には、ゼネコンだけではなく、多くの業界からラブコールが寄せられているようだ。
建築関係に近い、まちづくり関係の学科の男子学生の話も聞いた。
「今日は友達に誘われてきました。将来何をやろうというのは決まっていません。今、考えているのはデベロッパー。ただ、今後、変わるかも知れません。魅力ある会社としては、自分の意見やプレゼンが社内で自由にできる社風だといいですね」(都内大学3年生)
イマドキの大学生は、風通しの良い社風に憧れている一面もあるようだ。
リノベーション会社が求める人材とは?
リノベーション会社にも、どのような就活生に入社して欲しいか聞いてみた。
「プロデューサー感覚で仕事が出来る人。買い手のつかない物件に新たなポテンシャルを生み出し、価値を高める仕事なので常に挑戦する気持ちが大切で時代の変化に合わせて自身も変えられる方」
「単なる組織の歯車になって欲しくない。小さくまとまるより尖った人材が欲しい。出る杭は打たれると言うが、出ない杭は腐ってしまいます。リノベーションはゼロから創造する楽しみがあるので、出すぎた杭になって欲しい」
「ほかにはないユニークな人が欲しい。あたりまえの考えから脱却できる人がいいですね」
リノベーション業界では、単なる上から言われたからやる、という受け身よりも、積極性が求められるようだ。
「営業から設計力、すべてのお客様の要望に応えられるワンストップの能力が欲しいです」 というコメントもあった。お客は、どんな時もすぐ答えが返ってくる環境を求めており、ワンストップの営業力・提案力が必須ともいえる。
「わたしどもは次世代の育成に取組んでいます。派手さはありませんが、地道に新卒採用して未経験でも活躍できる環境を整えています。ぜひ、弊社で次世代を担いたいという責任感のある方に来て欲しいです」 と若手に期待する企業もあった。
「今は新築が主流ですが、これからは家や街全体を自由にカスタマイズするリノベーションがあたりまえになる社会が必ずやってきます。これから業界に入社される就活生はいい時代を迎えます。仕事は楽しく、発想も伸びやかに」「弊社入社の暁には新入社員1年生から重要なミッションや仕事が与えられます。自由で闊達な発想を持ってほしく、小さく固まって欲しくありません」 という意見もあり、リノベーション業界では入社からすぐに一定の裁量権をもって仕事をできるとのこと。待ちではなく、攻めの姿勢が大切だという。
「リノベーションはお住まいになる方を笑顔にすることが目的です。家をリノベーションして良かったとお客様から感謝を得るのが仕事です。ですから、人を笑顔にするのが得意な人が来て欲しいですね。」 などユニークな意見も。
「弊社の本社は東京ではなく北国に本社がありまして、業務拡大で南進中です。海外との建材を積極的に導入しているので、営業から技術、設計まで幅広く成長したいという人に来て欲しいです」 こちらの会社の本社は宮城県、業容を拡大し、首都圏にも進出を果している。Iターン・Uターン向けの会社でもある。
リノベーション業界に求められる人材は、設計・施工、不動産、管理だけではなく、企画、広報、営業、ファイナンスなど本当にさまざまだ。
20兆円産業に成長するリベーション業界
リノベーション住宅推進協議会は、優良なリノベーションの統一規格を設け、品質基準に適合する既存住宅を「適合リノベーション住宅」と定義している。 現在の住宅様式は、「スクラップ&ビルド」が中心だが、これが大きく変容していく可能性を秘めている。
リベーション業界をめぐっては、国土交通省の動きも活発化している。 国土交通省は、新成長戦略(2010年6月18日閣議決定)に示された「中古住宅・リフォーム市場の倍増」に向け、2012年に「中古住宅・リフォームトータルプラン」を策定。国の方針としては、新築中心の住宅市場から、リフォームにより住宅ストックの品質・性能を高め、中古住宅流通により循環利用されるストック型の住宅市場に転換する。2020年までに中古住宅流通・リフォーム市場の規模を倍増(20兆円)すると見込まれている。この数字にはリフォームも含まれるため、必ずしもリノベーション全体の市場ではないが、20兆円産業という巨大な市場が創出される時代がまもなくやってくる。
島原所長の講演にもあったが、リクルート住まいカンパニー「2012年住まい購入検討者意識調査(リノベーション編)によると、「リノベーション」という言葉の認知度は89.7%。5年前と比較して20%アップした。
就職戦線は3月1日から本番を迎え、6月には内定も決まる。リノベーション業界の人気企業が一堂に集結した今回の「第3回リノベーション業界研究セミナー」だが、参加した就活生たちが将来のリノベーション業界を担う人材として活躍することを願うばかりである。
■参加企業(五十音順)
株式会社インテリックス
株式会社インテリックス空間設計
株式会社OKUTA(オクタ)
株式会社オレンジハウス
東栄ホームサービス株式会社
株式会社ニューユニークス
株式会社NENGO
株式会社FIND(株式会社エージェントより社名変更)
株式会社ブルースタジオ
株式会社北洲
リノベる株式会社
株式会社リビタ
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