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「族議員は悪じゃない」全国建産連が政治団体を創立したワケ

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公開日:2018.04.18
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国会議員と連携して、建設業のあるべき姿を模索

全国建産連 老朽化した社会資本整備の維持も危機的な状況です。戦後営々として築き上げてきた社会資本の老朽化・劣化について、建設業界や関係行政の関係者は深刻にとらえていますが、日本国民の多くの方々が危機感を感じているとは思えません。このままだと大変なことになるでしょう。

現在、社会資本整備費用は年間およそ6兆円ですが、膨大な公共ストックは一気に解決できません。今後10年以上かけて維持修繕や更新を行うインフラと、それを諦めなければいけないインフラに「仕分け」していく必要に迫られるでしょうが、その際、経済合理性をもとに地域住民や国民に選択してもらうのは、政治家の仕事です。そういう意見交換の場としても、建産連政治連盟と国会議員との勉強会は期待が大きいです。

——公共事業の増加も訴える?

全国建産連 地方の公共事業が削減され、地方自治体によっては、力のある地域建設企業が存在しないところも出てきました。そうなると、地域の防災力や応災力、除雪という観点からすれば、建設業の衰退はその地域の弱体化も意味します。

建設会社は民間企業である一方、地域のセーフティーネットの役割も果たしています。しかし、仕事がなければ存続することは出来ません。建設会社に対してどのような供給力を求めているか、建設会社はどういう形で地域社会に貢献が可能なのか、従来の建設関係者だけの会議や全国建産連だけで考えるのはもう限界です。

これからは他の地場産業との交流や行政や国会議員と連携する中で、建設業はかくあるべきという意見をまとめていきたいと考えています。今後、定期的な勉強会を開催していきますが、一般社団法人の顔とは別に、政治団体のスタイルで政治へアプローチしていきます。

——「公共工事は税金のムダ」という批判については?

全国建産連 特に3月の工事、年度末工事については誤解が多いです。よく予算を使い切るためだと文句を言われる方がいらっしゃいますが、それは間違いです。

地方自治体の公共工事は新設が優先され、年度後半になると古くなった道路の維持保全費の確保にメドが立ってきて、そこで年度末に道路の維持保全工事をしているだけに過ぎません。意味のない公共工事など存在しません。本来、年度をまたいで4、5、6月の間に工事ができれば望ましいですが、最近は国や地方自治体が工事の平準化を進めたことで、年度末の工事はだいぶ減ってきました。

ビルやマンションの民間工事は、建築構造物の計画が決まると、共同溝があれば別ですが、ガスや水道、電力を供給するために道路を掘り返す必要があります。それは大きな道路に面していることが多く、たまたま年度末に重なって誤解されることもあるでしょう。いずれにせよ、こうした建設業に関する偏見も工事側の説明不足と関係者の勉強不足が原因ではないでしょうか。

全国建産連でドローン操縦者も育成

ドローン講習の様子(写真提供:全国建設産業連合会)

ドローン講習の様子(写真提供:全国建設産業連合会)

——i-Constructionについて、全国建産連での取り組みは?

全国建産連 国土交通省が掲げているi-Constructionを進めていけば、少人数で多くの業務を担う「多能工」の道へ必然的に向かっていくでしょう。建設業は29業種に区分されていますが、従来10人分だった業務を7人で実施しなければ、これからの人口減少社会を乗り切ることはできません。品質を担保しつつ、マネジメントもできるような、技術的なイノベーションと多能工を組み合わせた時代が到来すると思います。

企業単体としても、100あった仕事が将来70に減っていくとなれば、受注量を拡大するには、多能工的に対応できる仕事の幅を拡げる必要があります。受注量を確保できなければ、建設会社で働く現場監督や技能労働者に対して給与を払えず、会社を持続できません。そういう点でも、建設業の区分は29業種のままでいいのかなど建設業法の改正も視野に、立法府の国会議員に理解していただかなくてはなりません。

——個々の建設会社も変化しなければならないということですね。

全国建産連 そうです。小規模な地域建設企業でも、たとえば、ICT(情報通信技術)に無関心のままではいけません。地域や企業の規模に適した形でICTを展開する必要があります。ICTと言っても種類はたくさんありますが、コスト削減、生産性向上、働き方改革、応災力の観点から、全国建産連ではドローンが最も有用なツールの一つだろうと考え、昨年3月からドローン操縦者の養成を開始しました。

ドローンを使えば、機能として簡単に工事状況を俯瞰的に見られるので、熟練すればインフラの維持管理にも応用できますし、災害現場では消防、警察、自衛隊より先に建設会社が道を切り開く必要があり、危険防止のためにもドローン操縦者の養成は企業と地域に貢献できると思います。

カリキュラムは現在、DJI JAPAN株式会社が主催するドローン操縦者の民間資格を使わせていただいています。今後、持続的に100名を超える資格者を輩出できるようになれば、国土交通省から管理団体として認定を受けることも可能になるので、最終的には全国建産連の資格を創設したいと考えています。

今年は栃木県で操作体験、10時間のドローン講習、資格試験をパッケージで実施しました。茨城県、埼玉県での実施も控えており、 全国建産連の会員から「ドローンを実際に触ってみたい」「操作方法を知りたい」という声に応えていきます。今後は、関東ブロックをモデルケースとして、ドローン操縦者の育成について順次全国展開を図っていきます。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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