設計などコンサルティングと土木工事の両輪経営
仕事の受注先はほとんどが公共工事。地質調査・設計測量と土木工事の割合は1:1。地質調査・設計などのコンサルティング業務と工事を両方手がける業態は、徳島県内では珍しい。それぞれ必要な人材を確保する必要はあるが、通年で一定の仕事量を確保できるメリットがある。特に地質調査の仕事は、エリアを限定せず仕事を受けられるフットワークの良さも強みになっている。「会社を成長させるには遠い場所の仕事受注も必要」と指摘する。
設備投資にも力を入れる。ドローンや3次元スキャナー、4連式の3軸圧縮試験機や気泡ボーリングの機材をいち早く導入。「わが社の軸足は建設分野だが、勇気を持って踏み出せる分野、ニッチでどこもやらない部分は、ちょっとずつでも広げていきたい」という思いがある。
「見た目がこうだから、周りの会社からは結構なめられる」。それもあってか、ある「ゴツい」会社の社長から、理不尽な要求をされたことがあった。最初はやんわり断っていたが、何度もしつこいので、「あなたも同じ社長同士。敬意を払えない人とはもう話せない」とキッパリ断ったことがある。意外に武闘派な面も併せ持つ。
インターンシップで観光用動画作成のワークを実施
エス・ビー・シーの社員数は現在60名。10年後には80名にする構想がある。技術者の採用は、最重要課題の一つだ。
その一環として、今年から大学生のインターンシップを開始。18名の大学生が集まる中、1泊2日かけて、美馬市の魅力を伝える動画づくりなどのワークを実施した。
「ウチの会社に来てもらわなくても良い。美馬市というまちの魅力を感じて欲しい」ということで始めた取り組みだったが、学生の評判は上々。深夜まで動画づくりに打ち込む学生の姿は、「社員にとっても良い刺激になった」と手応えを感じた。「今は、給料だけで人が来てくれる時代じゃない。若い人がやりがいを感じる会社になるためには、プラスアルファが必要」とねらいを明かす。
採用拡大に向け、福利厚生も充実させた。エス・ビー・シーには女性技術者が5名いるが、そのうち3名は産休を取得。復職した実績がある。これも、木村社長が帰還後に着手した組織変革の取り組みの一つ。結婚出産したからといって、優秀な技術者に辞められるのは、「会社として単純に困る」からだ。育児中の女性技術者がもっと働きやすくなるよう、就業規則も見直した。「子供が熱を出したので、休みます、遅れますは、ウェルカム」。