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「オープンシステム」生みの親、山中省吾が激動の四半世紀を振り返る

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公開日:2018.05.09
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無理難題が導いたシステムの完成

それは、遠隔地でのオープンシステムによる住宅建築の依頼だった。依頼主は山口県、建設地は大分県、設計監理者が鳥取県という異例の案件だった。しかも工期は短い。常識的に考えれば無理難題だった。が、山中代表は挑戦。そこで思いがけず大きな発見をした。設計監理者が現場にいられないハンデを補うために導入した、関係者全員参加によるメーリングリストがオープンシステムの弱点を補ってくれたのだ。

「メーリングリストの導入で設計監理や各種調整が簡単になると同時に、依頼主が熱い思いや感謝の気持ちを職人達に伝えることで、家づくりの最大の戦力が依頼主自身であることがわかったのは大収穫でした」。ここにオープンシステムは技術的な完成をみた。以後、山中代表はマーケティングに注力する。

「まずはHPをリニューアルし、2年かけて準備をしたうえでテストマーケティングを実施しました」。結果は山中代表自身が驚くほどだった。「確かにお金は使いましたが、売上が前年比1.5倍、翌年は3倍と増え、最も成果のあったテストマーケティングは、広告費用の100倍以上回収できました」。

このタイミングで山中設計はプラスエム設計(エムはMANAGEMENTのM)と改名。2018年現在、米子、飯塚、東京、海老名の4拠点体制で運営を行っている。

中央の冊子は、マーケティングの一環で山中代表自らが執筆した会社案内。

中央の冊子は、マーケティングの一環で山中代表自らが執筆した会社案内。

日本の建築のスタンダードに向けて

「会社をつくって30年、オープンシステムを始めて25年、本当にカタツムリのような歩みですね」と山中代表は自嘲気味に微笑む。だが、その目は鋭い。

プラスエム設計は10人規模のオフィスを全国に100拠点、つまりオープンシステムを熟知する1000人の建築士集団の構築を目指しているという。「そこまで持って行けて初めて、ハウスメーカーやゼネコンに対抗できるようになると思うんです。全ては、オープンシステムを日本の建築のスタンダードにするためです」。

今春、プラスエム設計の飯塚オフィスが福岡県田川郡糸田町の公共施設「いとよーきた」を受注した。公募型プロポーザルでプラスエム設計が採用されたのだ。これはオープンシステムの歴史でも初となる公共施設の案件だ。「役場の主な部署には現場からの報告がメーリングリストで配信されました。この一件が公共工事の発注方法を見直すきっかけとなればいいですね。なかなか難しいとは思いますが」。

山中代表は最後にこう語ってくれた。「これから先も安定の道と困難な道に分かれていると思いますが、安定の道を選ぶことはないと思います。安定を求めるようになったら、経営の最前線から身を引きます」。

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この記事を書いた人

矢野竜広
矢野 竜広
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1980年生まれ。妻の故郷である鳥取県に移住したライター。 立教大学卒業後、コピーライター、構成作家を経て田舎暮らし系フリーランスに。好きが高じて自宅にビールサーバー&ビアバー設置、ブログ『ビアエッセイ・ドットコム』を運営。ビアエッセイストを名乗って講師活動も行う。ちなみに自邸はオープンシステムで建築。
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