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ICTで土木はどう変わるのか?視察が相次ぐ「i-Constructionのメッカ」で語りつくす!

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公開日:2018.06.07 / 最終更新日:2023.04.11
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土木技術者は、常に手探りで勉強する立場に

施工の神様

建設システムさんでは、ICT機器の導入によって、建設業界の人手不足、技術不足を補うという開発目的を持っているのですか?

土屋さん(建設システム)

建設業界の方々が「午後6時に家族と夕食をとれる」ことを目指しています。これはわれわれ建設システムの使命なんです。

「午後6時に夕食をとれる」ということは、その分、余分な仕事をICTで減らすということです。

施工の神様

可能そうですか?(笑)

土屋さん(建設システム)

例えば、技術者の方々は、翌日以降のために、いろいろと計算をしなければなりません。ただ、計算は技術者の仕事ではありません。ソフトウエアの仕事です。「計算しないとバカになる」と言われますが、そうではありません。ICT化とは、半自動とか、全自動によって、自分で計算しなくて済むことです。そういう風にして仕事を減らしていくわけです。

建設システムの社長(※栗田富夫氏)は「新3K+1K」ということを良く言っています。「新3K」は「給料、休日、希望」。「1K」とは「カッコいいドボク」です。われわれは、ドボクを「カッコいい」仕事にしなければならないと考えています。

若い人が憧れるカッコいい現場を作りたいんです。「カッコいいドボク」の大きな要素がICT(ハード+アプリ)です。

山西さん(大竹組)

素晴らしいコンセプトですよね。

それを理解できない技術者がいるとすれば、「遅くまで仕事をするのが技術者だ」と美化しているからでしょう。

土屋さん(建設システム)

今の時代、そういうのはありえないですよ。そんなことを続けていると、自分がやると手を上げてくれる人がいなくなります。

大事なのは、「そういう仕事ぶりを若い技術者が見たら、どう思いますか?」という視点なんです。

施工の神様

自分の抱える仕事がやりやすくなるのに、素直に受け入れない技術者がいるのは、単純に不思議ですね。

山西さん(大竹組)

やはり固定概念にとらわれているんだと思います。従来の技術に凝り固まるより、効率的にモノを作る方法を考えることが大事でしょう。モノを作るなら、早く作る方が良く、利益にもつながりますし。ICTを使えばそれができるわけです。普通の経営者であれば、そのための手段は選ばないと思います。たとえ邪道だと言われても。

少なくとも、われわれは、常に手探りで勉強する立場を離れることはできないんです。従来の技術にこだわって、新しいものを取り入れないことに、なんの意味があるのだろうという気がします。

土屋さん(建設システム)

「杭ナビ」は、今後さらにいろいろな使い方がされると思っています。現場からドンドン、アイデアが出てくると思います。

鈴木さん(トプコン)

そうですね。現場の方に教えてもらうような使い方が出てくるでしょう。

土屋さん(建設システム)

だから、どんな使い方があるのか、現場の方々にドンドン聞いていきたいです。

山西さん(大竹組)

こういう使い方をしたいので、「ここを変えて欲しい」という話も出てくるでしょうね。

便利なモノを使いこなして利益を出せば、ICT土工は普及する

施工の神様

今後、ICT普及の課題は?

山西さん(大竹組)

今のところ、ICT用の3次元設計データの作成を1つのソフトでなんでもできるというものはないんです。

色々なソフトの良いところをかいつまみながら、データを作っているわけです。そういった意味で、3次元設計データのより効率的な作成こそがICT普及に直結します。

私が一番頑張っていただきたいのは、ソフトウエアベンダーさんですね。われわれ建設業者は、どんなソフトが開発されるのか、常にモニターしているんです。

「便利なモノを使いこなし、確実に利益を出す」。ICT普及のカギは、ココですよね。ココを目指して頑張っていただくことを期待しています。

土屋さん(建設システム)

建設システムは、単なる「顧客満足」を目指しているわけではなく、その上の「顧客感動」を目指しています。顧客感動とは、例えば、お客様の「ええっ!マジ!すごい」という言葉です。

そのためには、従来の方法を180度変えるような商品開発が必要になります。もちろんお客様の期待の声は調査しますが、その上の期待を超えるモノを作らなければいけません。既存のモノを多少変える程度では、何も変わらないので、到底午後6時に帰ることはできません。

施工の神様

ソフト開発に際し、土木的な知識などについて、どのようにフィードバックしているのですか?

土屋さん(建設システム)

建設システムには、1級土木施工管理技士が10名います。土木教育室には30年のベテランの技術者もいます。それらの知識ノウハウをベースに、お客様にヒアリングした上で開発しています。

ただ、期待を超えるソフト開発は机上のみではできません。私たちは想定することできますが、本当の答えは現場にしかありません。そのためには何度でも現場に足を運びます。

鈴木さん(トプコン)

昔と明らかに違うのは、トプコン1社ですべてを提供することはできなくなっていることです。いろいろな会社さんと組んで、初めて、良いものを開発することができるようになっています。ICTをもっと普及させるためには、機器の操作をもっと簡単にしないといけません。

ただ、操作を簡単にするのは、トプコンだけではできません。多くのみなさんと組みながらやっていかないと、これ以上の普及は難しいと思っています。現場の方々からいろいろとお話を聞きながら、今後とも取り組んでいきたいと考えています。

施工の神様

現場からのフィードバックも、ICT普及に不可欠ですね?

鈴木さん(トプコン)

トプコンのようなハードメーカーは、モノを作って、出して、ハイ終わりというところがあります。それではダメだと思っています。

とは言え、日本だけを見て、モノづくりはできません。会社として、i-Constructionだからと言って、日本でしか通用しないモノは作れないわけです。アメリカ、ヨーロッパ、アジアでのものづくりもあるからです。そのギャップをどう埋めるかとなると、やはりソフトウエアの方で補っていくしかありません。

今年4月から、i-Constructionの「TS等光波方式を用いた出来形要領(土工編)」では、「杭ナビ」のような望遠鏡がないものも利用可能になっています。望遠鏡が搭載されていないTS等光波方式でも、精度確認試験を行うことで、出来形管理に使うことができるのが特長です。こちらの普及にも力を入れていきたいところです。

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この記事を書いた人

四国の犬
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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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コメント(1)

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  • - 2018/08/05 16:53

    めっちゃ良い記事ですね。

    こういう記事をぜひ量産してほしいです。

    快測ナビと杭ナビ買いたくなってきました。

    返信する 通報する

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