良い技術者はズルをせず、自分のスキルに満足しない
最初に取った資格は、2級土木施工管理技士。30才の時だ。以降毎年のように資格試験を受験。社長になってからも1級建築施工管理技士、技術士などを取得。昨年は宅建試験に合格している。「中小建設会社の社長とあろう者、社員を説得する局面や顧客との話し合いの場面などで、少なくとも理屈を体系的に理解しておかねばいけないと考え、積極的に資格取得を心掛けた。社員に資格を取れ取れ言っている手前もある」と言う。あるベテラン社員に「もともとの事務屋さんに現場のことがわかるわけがない」と言われたことも、モチベーションになっているそうだ。
技術士は、「難関と言われているので、取れば世界が広がるかな」ということで挑戦。取得後、「人のネットワークが大きく広がった」と言う。今年、社員が技術士試験に見事合格。「(自分の技術士合格が)少しは刺激になったかな」と目尻を下げる。
技術者に求めるのは、「ズルをしないこと」と、「自分の技術に満足しないこと」。技術力には2つあり、一つは場数(経験)、もう一つは勉強(向上心)だ。「場数だけは踏んでいるが、自ら勉強しない、考え方を変えない、新しいことに取り組まない、悪い意味で職人気質な技術者はダメ」と指摘する。その一方で「場数を踏んだ職人気質の技術者の存在をいかに尊重し、力を貸してもらえる仕組みを作っていくかが、その会社の真の技術力を左右していく」とも。
「人間的なスキル向上」を実現し、建設業界に足跡を残したい
「社長として、60才までは突っ走りたい」と言う。その突っ走る中で「この業界に、私は何を残してきただろうか」「この業界に足跡を残したい」という思いがある。それは「一言で言えば、社員の人間的なスキルの向上」、そして「建設業界全体の体質の向上」だ。社員をはじめ、業界関係者が自分の子ども、孫に対して、「内山建設は良い会社だよ」と言われる会社にするには、まだまだやることがある。そして、その過程を通じて、建設業界全体が社会により広く受け入れられるようにしたい、と感じている。
建設業界は特に親のアレルギーが強いため、新卒者の採用に苦戦している会社が多い。内山建設でも、親に反対されて、面接を受けない生徒も何人かいた。「人間の根本には、ものをつくる楽しさというものがある。そこをいかに気づかせるかが大事だ。自分の経営を通じて、その大事をきちんと親にも伝えられるまでになりたい」と力を込める。
内山社長には子どもが二人いる。後継者を期待している長男は、大学で情報系の勉強を志望している。土木建築ではない。「自分もそうだったので、これはこれで良い」と考えている。「小さい頃に現場に良く連れて行っていた。もう仕掛けは済んでいる」とほくそ笑む。
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。