足場の「常識」を変えた次世代足場
建築現場の必需品である「足場」は、そのほとんどが鉄製で亜鉛メッキも施されている。そのため、切ったり折ったりしなければ、半世紀でも使おうと思えば使えるし、法律上も問題はない。実際、建設現場では30年以上、現役で使用されている足場も多い。
「法律的に問題がなく、強度的にも問題がない、だから変わる必要もない」——そんな思考停止に陥っていたのが足場業界だ。
しかし、そんな旧態然とした「常識」を塗り替え、保守的な足場業界を戦々恐々とさせている男がいる。
「次世代足場Iqシステム」を開発、製造、販売しているエスアールジータカミヤ株式会社の社長、髙宮一雅氏だ。
エスアールジータカミヤは、来年で創業50周年を迎える東証一部上場企業。先進的な足場の開発と、そのレンタル業を中心に全国展開し、2018年3月期のグループ業績は、売上高361億円に上る。
「いまだに作業効率の悪い昔の足場を、職人さんたちが使っているのを見ると、生産性向上って何なんだろう?って思いますよ」
髙宮社長の歯に衣着せぬ発言からは、建設現場の未来に対する「情熱」がほとばしる。建設業が抱える足場の問題点と、それを解決する「次世代足場」の普及戦略について聞いた。