ステンレス管用継手KKベストの開発経緯
――開発の際に苦労したことは?
福山 まず接続のバラつきを継手の構造上起こさせない仕組みを作ろうと考えました。そうすれば誰が施工しても確実・高精度の接続ができますから。
開発当時は局部的に4箇所出っ張らせる拡管形状で、出っ張り部を利用してロックする方法を検討していました。そこから試行錯誤し、ステンレスの応力腐食割れが起こらないよう現在の円周上に出っ張らせる形状を採用しながら工具レスで接続できる構造を開発しました。
ロックリング機構は、接続の際の締め込み作業が不要です。だからレンチも不要で、パチンッとロックリングを入れるだけで接続完了です。
――KKベストとは拡管のベストということですか?
福山 そうです。ベストを自負していますので、是非とも現場で、その他の製品とどっちが早いか比べてほしいです。KKベストは新製品の挑戦者ではありますが、誰の挑戦も受けます。
――販売してからの評価・反応はいかがですか?
東尾 販売を開始した当初は、恥ずかしながら品揃えや拡管機の在庫の問題でご迷惑をかけた方々もいましたが、今は全てクリアしていますので安心してご注文ください。
あと慣れているものから新しいものに替えるのは抵抗があると思いますが、当社でも施工指導などを全国で行っておりますので、是非とも宜しくお願いします。実際に使っていただいた方からの良い評価も期待値も実感していますが、まだまだ我々の訴え方が甘いと思っています。
東尾メックのホームページを通じてオモシロ企画もやっていますので、是非ご覧ください。
【動画】KKベストでブランコを作ってみた
――ホームページで社員自らがKKベストの良さを説明していますが、あれは一見の価値ありですね?
東尾 ホームページのチームを作り、社員でアイデアを出し合っています。従来の枠にとらわれず、いかに製品の良さが伝わるかを試行錯誤しています。
ステンレス管用継手KKベストで世界中の職人不足を解決
――今後の展開はどのように考えていますか?
東尾 日本では職人不足が深刻です。海外に目を向けると、日本ほど熟練した職人がいない、つまり海外も職人不足と聞いています。海外、特にアジアの新興国においても誰が施工しても品質の良い配管ができるように製品を開発しました。
また、現実問題として設備配管は建設の最終段階なので、遅れてしまった工期の帳尻を合わせるため、短納期の配管作業を要求される、というのもよく聞く話です。さらに昨今のホテル不足など、これからは今まで以上に短納期で正確な設備配管を完成させるということが要求されます。これは日本でもアジアの新興国でも同様です。
福山 ここを強調したいのですが、KKベストは接続後も継手を回転させることができるため、加工工場で接続して配管をユニット化して現場までもっていくなんてことも可能です。ホテルなどは配管が決まった形の場合が多く、ユニットを先に組んで持っていけば、現場での接続作業は最小限に抑えられます。そんな風に納品した現場も実際出てきています。
配管の現場では班を組んで作業する場合が多いと思いますが、今まで5人で班を組んでいたのを、2人とか3人にできる物件もあると思います。
東尾 今後はロックリングの色も3色用意できるように考えていますので、現場で色分けすることで、間違いを防止したりすることも可能です。
また今回受賞した「中小企業優秀新技術・新製品賞」の他にも、東京都財務局が毎年公募している「建築技術革新支援事業」の「施工性に優れた給水配管に関する技術」部門にも応募していて、こちらもKKベストの施工性、機能、性能は満点と高い評価を受けました。発売から間もなく採用実績数が少なかったこともあり惜しくも受賞は逃しましたが、2020年のオリンピック需要に向け大きな支援材料になると思いますのでどうか宜しくお願いいたします。
■東尾メックHP http://www.mech.co.jp/
■KKベストHP http://www.mech.co.jp/kkbest/
使ってみたいですね。でも値段はどうなのか気になるところです。
めっちゃ便利だよ。疑うなら一度使ってみるべし。
樹脂か管やモルコと比べてどうなんだろ
AIとかロボットとか言う前に実地で使えるこういう技術を開発すべきだよな。大手ゼネコンにも見習ってほしいわ。
マジ?
KKベスト、初めて知った。
でもブランコはやりすぎでしょ(笑)
良記事ですね。こういう記事をもっと読みたいです。