困った時のシーリング頼み!でも、それで良いのか?
防水という観点においては「シーリング」は非常に便利で有効な手段であると私は考えています。
そのため、現場で中途半端な隙間があれば、とりあえず「シーリングで潰そう」という指示を出すことも非常に多いです。建築関係者の中には「困った時のシーリング頼み」に共感される方も多いと想像します。
しかし、シーリングはいつか切れます。というか、5~7年、さらに使用する場所によっては1~3年で切れてしまう場所もあります。
であれば、「シーリングが切れた場合は、また打てば良い」と考える方もいるかも知れませんが、施設の担当者が限られた予算の中でシーリングをタイムリーに打ち続けることは出来ないと考えるほうが普通でしょう。
なので、私自身シーリングを施工する前に、もっともっと考えるべきことがあると感じているのですが、「シーリング頼み」になっている状況の場合、すでに「最後の手段」になっていることも多く、なかなか問題解決につながりません。
ただ、シーリングが切れることで、漏水につながることを経験した私は、次第に「シーリングは切れるもの」という感覚を少しずつ覚えていきました。私の学んだ具体的な内容もお伝えしていきます。
鉄骨造では建物が動いている?
鉄筋コンクリート造の建物が成立する要件の一つとして、熱膨張係数がほぼ同じという理由があります。
つまり、温度による膨張や収縮率が同じなので、鉄筋とコンクリートが分離せずに一体になっているということです。
そして、コンクリートに直接吹付やタイルの仕上げを施すことが多いため、比較的挙動の少ない建物構造となります。
では、鉄骨造はどうでしょう?
鉄骨造では、主要の構造体は鉄ですが、仕上げについては鉄筋コンクリート造に比べて比較的さまざまな仕上げの種類があり、当然ながら熱膨張係数もさまざまであるはずです。
すると、シーリングも通常より破断しやすくなるでしょう。そこで大切になってくるのが「シーリングが破断した後の処理」です。
しかし、私は自分で鉄骨造の改修工事を経験するまでは、頭の中でこの重要性が分かっていても、心のどこかで「金も手間も掛かるし面倒くさいな」と感じていた部分があったと思います。
だけど、様々な漏水と付き合っていくうちに、
- シーリング破談後の二次排水経路の確保
- 一次シール、二次シール処理
- 金物の加工時における納まりの確認
が、とても大切だと身をもって経験しました。
とても勉強になりました。良記事です。