日本初、パイロットがドローン協会設立
上村理事長は、安全なフライトの実現に日々、邁進する。
平成27年8月に「熊本県ドローン技術振興協会」を設立した当初から、一貫して〝安全〟を打ち出す取り組みには、自身がパイロットという特殊な事情もある。
熊本県ドローン技術振興協会の会員数は個人も含め現在、204社にのぼり、協会の果たすべき役割は増すばかりだ。
今や建設産業ばかりではなく、様々な分野で活躍するドローン。その活用の可能性は未知数だという。
——熊本県ドローン技術振興協会の設立背景は?
上村 いま全国で行われている色々な安全教育は、ドローンを売るメーカーとかがやっています。私たちは航空法が分かるパイロットでつくった協会なので、理事も全員パイロット。みんな教官クラスです。
空に関しては航空法が分かっているプロですから、説得力がある訳です。みんなラジコンとかが好きな連中です。パイロットって飛ぶのは何でも好きです。
そんな中で、ドローンはものすごくためになるという話をしています。ただ、今の状態だったらやりたい放題。ドローンは中国製ですし、法律もないですし。
そういうのが飛行機と同じ空域を飛ぶという大変なことが目の前で起きています。本当は国がやらなければいけないことですが、熊本だけでも安全に飛ばして上手く仕事に使っていただこうということで協会を設立したわけです。
——異業種間の交流が盛んなようですが、その辺も想定して立ち上げたということですか?
上村 協会というのは、同業者が集まって利権を得るというような側面もある訳ですが、ドローンに関しては業種が定まっていないのが現状です。今からドローンがどんな風に広がっていくのかわかりませんし、ものすごく世界が広がるということです。
当初、どういう組織にするかについては定まっていませんでした。個人的にドローンを使った測量をやっていましたので、スタートはコンサルの人たちとやろうと考えていました。
ただ、将来的にドローンは映像の世界も含め使う世界がものすごく広がっていくので、だったらパイロットでつくろうということになったわけです。
国を待っていたら安全教育は間に合わない
——こうした団体の全国での活動状況はいかがでしょうか?
上村 実は4~5年前まではドローンという言葉さえなかった時代です。まだ、マルチコプターと呼んでいた時代ですので。ドローンという言葉が広がったのはここ2年ぐらいではないでしょうか。
パイロットによるドローンの協会というのは、全国どこを探してもありません。うちだけです。そんな中で、大分は県主導で協会をつくりました。現在、うちの協会を参考につくるということで、手を組んでいるところです。
これだけのスタッフなら全国展開してもおかしくはありませんが、それは私のやる気だけでしょう。と言っても民間には限界があります。
空の世界というのは国がきちんと主導権を握って指導しないとダメなんです。でも、それを待っていても間に合いません。
ですから熊本で始めたのは、先に安全教育をするだけの団体として動きましょう、ということです。うちでは物も売りませんし。
——安全講習や技術指導を積極的に開催されていますが、前例のないことに取り組む中で、何を参考にしておられるのでしょう?
上村 実は5年前に飛行機の免許が2年に1回、実技試験が課される更新制度になりました。それまで飛行機のライセンスは健康診断がOKだったら一生モノでした。
これまでは国土交通省の試験官がライセンスを取得する時だけ、試験をしていたのですが、2年に1回の実技試験となると試験官が足りない訳です。
そこで民間人に試験官の国家資格を取得させてライセンスの更新制度をスタートさせました。私も実技の試験官の一人です。
その国家資格のための勉強を全部やってきたものですから、その時使った安全教育の資料が山ほどありました。それを講習会などで使っています。
スーパーゼネコンは今一番儲かってるんだから、こういうのに投資しようよ。
異業種が集まるからこそ色んなアイディアや取り組みが進みそうだなー。
こんな新しくおもしろい活動をもっと取り上げて欲しい。
ドローンと人又は物件との間に30m以上の距離を取れというのを真面目に守ろうとすると、街中では全然使えません。
柵や電線からも30m離せという話です。
大体の現場で、上げる時と下す時に30m以内に入ります。
この状態で飛行させるためには書類と許可が必要で、知っておくべき関係法令がいっぱいあります。
航空法、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、民法、電波法、都道府県市町村条例。
どうですかワクワクしますか。自分の現場でやらせたいですか。
ワクワクしてきたな。
> ワクワクしてきたな。
サンドイッチマンw