ICT土工の基準類改定にみる国交省の本気度
しかし、2016年に公表された基準類は、ある意味粗削りでもあった。誰が見ても矛盾のある部分もかなりあったし、要求性能が過剰なものもあった。
例えば、以下の改訂内容を見てほしい。
2016年に発表された「UAVを用いた公共測量マニュアル(案) 空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理要領」は当初、UAVを活用した際の写真撮影のラップ率は90%で発表された。しかし、その1年後には80%に改訂されている。
これは、90%での実施では生産性が逆に低減することを、施工団体が大きく取り上げ、国土交通省と一緒になって、その検証を実際に示したためだった。国土交通省が1年という短期間で基準を変更した例である。
かつて国土交通省が自ら確定した基準を、1年という短期間で改訂した事例はなかった。こうした発注者の動きは、i-Constructionが単に掛け声だけでなく、発注者も真剣に生産性向上を目指すという力強い意思を示したものと思われる。
i-Constructionの本質と「カイゼン」
i-Constructionの本質は、単にICTを活用する工事やICTツールを使うことが目的ではない。ツールを「武器」として戦える環境を整えられた発注者・受注者の「考え方革命」、それがi-Constructionの本質である。
受注者と発注者の分けへだてなく、この考え方を短時間で実践し、成功体験として業務に落とし込み、自らの業務の「カイゼン」に取り組めた人、もしくは組織が今後この業界で生き残る人たちであろう。
こんな言葉がある。
「チャンスに出会わない人間は一人もいない。それをチャンスにできなかっただけである。」――かの有名な「鋼鉄王」と称されたアメリカの実業家である。
チャンスは全員に平等にある。そのチャンスをチャンスと思えない人には何を言っても、何を見せても反応しないのである。
「自らが変わらなければ変化は起きない」「何かを変えるためには努力を惜しまない」という「カイゼン」の気持ちを持つ人や組織だけが、変化できるのである。
i-Constructionの本質はここにある。
さて次回は、この本質を実プロジェクトでおこなった事例を紹介しよう。
他人事ではない、もうすでに「カイゼン」は、あなたのすぐ横で知らないうちに進んでいるのである。本質をしった人があっという間に!
確かに中小のくくりは資本金3億以下又は300人以下だけど、現実は9割以上の企業は3千万以下又は30人以下程度です。
言いたいこと非常によくはわかるし、その通りのだと感じるところはありますが、筆者の言うように「カイゼン」というならば全体の5%程度の企業を中心に焦点をあてられても違和感があります。
こういう点が実際の中小にまでICTが普及しない一因なのでは?
今後の記事次第かと思いますが
全体的に浅い認識の印象を受けました。
そもそも「生産性」とはなんなのでしょうか?生産性革命が起きることによって誰がその恩恵を預かることができるのでしょうか?社長ですか?
社員までそのメリットを享受できるのでしょうか?
実態は、現場がICTに取り組もうとしても、発注者からの理解が得られないため二重管理を強いられているケースも多く、過渡期の感が強いです。かつての電子納品もそうでしたが。電子納品でなにか現場は恩恵に預かれたんでしょうかね。現在もペーパーレスとは程遠い実態じゃないですか?
ICTは数多くある手段の1つに過ぎません。上手く導入されている企業はそれを判っています。そういった企業はICTに限らず、様々な工夫と努力をしています。あまり盲目的にICTという言葉に振り回されるのも考えものです
国交省は割とレスポンス良いイメージですが、そこから下の局、市町村はまるでだめですね。結局担当監督員の安パイのために従来の書類もだすはめになる。
ICTとかアイコンストラクションとかの言葉に振り回されるのは危険
でもそれを逆手に上手く立ち回るのも大事
今後の記事でどこまで踏み込んで書いていただけるか期待します、ICTに対する発注者の理解はもっと欲しいですけどね、もっと勉強しろって思います
i-Constructionは制度より
意識改革が必要だと思う昨今でございます。
発注者は勿論ですが、ついつい施工者も
古い考え方に縛られてしまいがちです。
今が土木が変わる潮時じゃないでしょうか。
ICTとかCIMとか格好つけてはいるけれど、リニアモーターカーや新幹線と同じく、
世界中に新しい日本の土木技術を輸出したい。
世界には広大な国もあれば、日本より人口も面積も小さな国もある。
その為に日本中を利用した国策実験ということでしょ
今現場で行っていることとは違う未来になるかもしれないけれど、
少子化対策の面のあわせもっている為、国からの投資が止まることは当面無いように思います。
i-Constructionの導入して高い機材を揃えることよりも、i-Constructionを使って創意工夫をしなければ、何も意味がありません。私は絶えず災害復旧工事の現場でi-Constructionを導入していたら、こんなことができると日々想像していました。これからはi-Constructionでの競争時代になると思います。