しかし、技術者たちをコントロールするために商社から送り込まれたリーダーも、半分素人だから自信をもって決断できない。
そして、そのリーダーのレベルによって、上手く進む現場と失敗する現場の差が大きいのも、商社の海外建設現場の特徴だ。
商社の馬鹿の一つ覚え「工程通り」
ゼネコン側からすれば、建築の世界は数字ばかりではない!人間は数字や理屈だけでは動かない!と知っている。
いや、正確に言えば、数字で動いてるように見えるが、それは「上っ面」だけの動きに過ぎない。
本当の建築技術者ほど、刻々と変化する現場状況に合わせて、常に最善の策を考える。工程表がどうのこうのと最初に作った予定をドンドン変えていく。
それを理解できない素人ほど、「工程通り、工程通り!」などと、馬鹿の一つ覚えのように、決まったやり方に固執する。
優秀な技術者ほど、商社を辞める?
商社も、真のやり方を理解しようともしない素人集団だから、人を評価するのも的外れの評価をする。
そして、まともなプロフェッショナルな技術者ほど、そんな現場で仕事するのは嫌になってしまう。
そして残るのは、そこそこ建築の仕事やったことがあります!というレベルの人間だけになる。
当然、建築物の品質も高くない!
それが今、商社が海外でやってる仕事の概要だろう。
ゼネコンより給与が高い商社
ただ、こうした問題点に気付き、このままじゃいけない!という商社も、当然いくつか出てきた。
最近、そんな商社の現場で、伸び伸びと仕事をしてる技術者の話を聞く機会があった。
実は私も今、そんな商社へ転職するチャンスをまた狙っているのである。
給料はゼネコンより商社のほうが高い。
ただ、それは結構狭き門で、転職のタイミングも大切になる。