ツケを払うのは結局、現場の施工管理技士と作業員
消極的にでも一度受注したからには、施工するしかないのがゼネコンの使命だ。悲壮感に浸ってばかりもいられないゼネコンB社は、下地工事を後施工で行い、それすら適わない箇所については、一旦撤去してやり直すなど、まさに3歩進んで2歩下がる作業を繰り返した。
さらに、この建設現場は冒頭に述べたように、地下鉄駅の直上であり、開削部分もあったことから、外部の工事については、鉄道事業者と日々綿密な連携をとることが必須だった。当然、作業を行う場所によっては時間的制約を受けるところもあった。
しかし、たまたま駅周辺には一般住宅が少なかったため、ゼネコンB社も協力業者も交代制のシフトを組み立て、日昼夜問わずに突貫工事を敢行。なんとか工期に合わせて竣工させることに成功した。
要するに、倒産したゼネコン、情報管理が杜撰な自治体、指名停止を恐れた電気設備業者と衛生設備業者……、さまざまなツケが雪だるま式に膨れ上がった結果、一人の無名の建築施工管理技士である私の身に「過労」として、ふりかかってきたわけである。
指名競争入札の問題点
私はこの騒動の根本的な問題は、指名競争入札の仕組みと、自治体側の情報管理体制にあったと考える。
指名競争入札は自治体に登録されている建設業者が対象となる。登録されている建設業者は、すなわち“施工可能”と判断されるため、会社自体の経営状態にまで自治体のチェックが入らないことが通常だ。指名された建設業者は、入札か辞退かのどちらかを行うが、辞退すると半年の入札禁止などペナルティがあるため基本的には入札する。こうした指名競争入札の仕組みでは、工期中のゼネコン倒産を見抜けないのも仕方ない。
建築施工管理です。お疲れ様です。
情報から躯体完了し仕上前に倒産なのかな?
行政からお願いされてやむを得ず施工を引き継ぐ苦労は心中お察しします
めいいっぱい貸しを作って評価されてください
経営状態を調査しない、辞退は入札禁止て本当?今時そんなことしてたら事業進まないだろう。あと図面もないのにどうやって札入れたんだ?本当か、これ?
役所が入札会社の経営状態をチェックする、という話は聞いたことないですね。
そもそも役所は法律に則って運営されますので、法律にないことはしない(できない)ですね。
入札・契約や前払金の支払時には、契約保証金やそれに替わる履行保証保険をかけることに(法律上)なっています。
それ以上の措置はできないかと。
辞退については、最近でこそ「辞退者に対する不利益な措置は一切しない」と明記されますが、一昔前までは、辞退すると役所の心証を悪くするから、次回の入札から指名されなくなるのでは…という噂がまことしやかに流れていました。だからおいそれとは辞退できませんでしたね。
再発注図面については、おそらく倒産時点で躯体まではできていたんでしょうから、元の発注図から躯体部分の数量を抜いて再積算して再発注されたんでしょうね。