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タピオカブームの火付け役は、水道工事会社だった!「デートに着て行ける作業着」も発売し賛否両論

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公開日:2019.07.08
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タピオカミルクティー発祥のカフェ春水堂を口説いて輸入

株式会社オアシススタイルウェア 代表取締役の中村有沙さん。東大を卒業後、株式会社オアシスソリューションに入社し、水道工事の営業をしていた異色の経歴

――手広く事業を展開されていますが、元々はどんな会社でしたか?

中村 主にマンションの給水管のメンテナンスを手掛ける水道工事会社です。グループ代表の関谷有三が、宇都宮にある実家の水道会社から独立して、2006年に株式会社オアシスソリューションとして創業しました。

私も新卒で入社し、4年ほど水道工事の営業をしていました。

――新規事業を始めたきっかけは?

中村 全国に支店もできたタイミングで、さらなる事業拡大を目指すために「次は海外に進出しよう」ということになりまして。

色々な国を検討した結果、親日国でマンション建設も好調な台湾への進出を目指すことが決まりました。

それで現地へ視察に行ったんですが、たまたま立ち寄ったある台湾カフェの雰囲気や接客、タピオカミルクティーの味に関谷が惚れこんでしまったんです。

そこで、水道工事で世界進出することは一旦置いといて(笑)、この台湾カフェを日本で展開しようということになりました。

――そのカフェはどんな店だったんですか?

中村 「春水堂(チュンスイタン)」という、タピオカミルクティー発祥の老舗です。

春水堂は、台湾国内で50店舗以上展開されている老舗の国民的カフェなんですが、国外には一切進出していなかったんです。

当社には飲食のノウハウはありませんでしたが、関谷が何度も台湾に渡って、2年半かけて何とか現地のオーナーさんを口説き落としました。

そして、春水堂と合弁会社「株式会社オアシスティーラウンジ」を立ち上げ、2013年に代官山に日本初オープンしました。

大行列の春水堂・代官山店 / オアシススタイルウェア

大行列の春水堂・代官山店 / オアシススタイルウェア

――タピオカのカフェをやると決まったときの社内の反応は?

中村 今でこそタピオカブームが再燃していますが、当時はみんなポカーンとしてましたね。

関谷も水道工事部門は事業部長に任せて、ずっとタピオカに傾倒していましたし、最初の2年間は苦戦していたので、社内では「何やってんだよ」みたいな空気はありました(笑)。

夏季限定の「マンゴーティーシリーズ」。鮮やかなオレンジ色がインスタ映え / オアシススタイルウェア

夏季限定の「マンゴーティーシリーズ」。鮮やかなオレンジ色がインスタ映え / オアシススタイルウェア

――運営はうまくいっている?

中村 国内13店舗を展開していて、売上規模も水道工事部門を超えました。従業員数もグループ全体で200人ほどの社員を抱えていますが、そのうち半数の100人がカフェ部門で働いています。

今や、水道工事とタピオカが事業の2本柱です。

“デートに着て行ける作業着”がコンセプト

――水道工事とカフェが好調の中、アパレルに参入した理由は?

中村 2016年の創立10周年というタイミングで、何か記念事業やろうということになりました。

その時、私は営業を辞め、水道工事部門の人事を担当していたのですが、なかなか現場の技術職に就きたいと考える若手は少なく、採用活動にかなり苦戦していました。

人事として少しでも採用にプラスになる施策はないかと考えを巡らせた結果、会社や仕事のイメージを良くするために自社の作業着をリニューアルすることを思いつきました。

――どんな作業着を目指した?

中村 最初は、若者ウケするカジュアルな短パンだったり、ストリートファッションなどのアイデアも出ました。

ただ、水道工事はお客様のご自宅に上がって、コミュニケーションを取りながら施工を進めていくことも多いので、あまりカジュアルに寄りすぎてもダメだという意見も出たりして。段々と開発は行き詰っていきました。

そんな中、技術職の若手から「営業さんはスーツだから、そのまま飲みに行けていいね」という話をしているのを聞いたんです。

それなら、「仕事終わりにそのままデートに行ける作業着にしよう」と。そこで女性社員に”どんな服装の男性とデートしたいか”聞いてみると、私も含めてみんなジャケットやスーツと答えたんです。

こうして”スーツ型の作業着”というコンセプトが決まりました。

――どのように開発を進めた?

中村 OEMをやっているアパレルメーカーと私を含めた社内の3~4人の女性社員のチームで、2016年から開発を始めました。

“スーツ型の作業着”と言っても、使いやすくないと意味がないので、試作品を作っては現場の社員に着てもらっての繰り返しでしたね。

動きやすさだけじゃなくて、そのまま洗濯機に突っ込んでもシワになりにくいとか、形状記憶素材でアイロンを掛けなくていいとか、速乾性があるとか。あとは、水道工事という性質上、防水性も高めたりして。

当時は商品化するつもりはなかったので、期限は決めずに自分たちが納得するものを作ろうとじっくりと開発を進め、2017年の秋ごろに完成し、自社に導入しました。

ワークウェアスーツを着ての作業 / オアシススタイルウェア

ワークウェアスーツを着ての作業 / オアシススタイルウェア

――社内での反応は?

中村 最初は社内でも反対の声が多かったですね(笑)。「スーツで作業できるわけない」とか「ジャケットだと、逆に汚れが気になる」とか。

また、スーツに合わせて髪型などの身だしなみもちゃんとするようになりました。ちゃんとワックスとか付けるようになって(笑)。良いことではあるんですが、「めんどくさい」という意見も多かったです。

ただ、1~2カ月経つと、「前の作業着より動きやすい」といった声が大きくなって、不満はほとんど無くなりましたね。

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この記事を書いた人

岡崎 太士
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「施工の神様」編集部。元・建設業界誌の編集記者。建設業界の中でも陽の当たらない、解体工事やアスベスト除去、建廃処理、労働安全衛生を主なテーマに活動していました。
建設関係の方もそうでない方も、気軽にご連絡ください。「施工の神様」に対するご意見やご批判、一緒に飲んでみたいなど、どんな内容でも構いません。
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