「余計なことをするな」に我慢できず、再び民間へ
——現在は、福北公社を辞めて、株式会社特殊高所技術に勤めていますね。
片山 福北公社を辞めたきっかけは、ツタワルドボクの活動を関係がありました。福北公社の職員は半公務員なので、別の法人に属することができなかったんです。ちょうどその頃、飲酒事案がスキャンダルになって、メディアから福北公社が叩かれるようになり、組織的に「余計なことをするな」という空気が漂い始めたんです。
私は、ツタワルドボクや九州産業大学の非常勤講師、土木学会などの活動は、福北公社の価値も上げると信じていたのですが、活動の自粛が求められました。私は管理職だったのですが、「勝負するなら、まだ無理のきく今しかないな」ということで、福北公社を出る判断をしました。
——株式会社特殊高所技術を選んだ理由は?
片山 「辞めたら、いつでもウチに来てください」と、ずっと言ってくれていたからからです。この会社は、橋梁の点検をする会社で、この会社しかできない点検技術、ノウハウを持っています。都市高速は、橋の下には多くの車や人が行き来しているので、モノが落ちることは絶対あってはなりません。ただ、都市高速には、通常のやり方では点検できない場所もあります。そういう難点検箇所を特殊高所技術にお願いしていたご縁がありました。辞めるときには、何の迷いもなく、お世話になることにしました。
——特殊高所技術ではどんな仕事を?
片山 基本的には自由にやらせていただいています。人材育成や技術開発、現場指導などを担当しています。特殊高所技術が点検に行く構造物は、今まで一度も点検していない箇所が多いんですよ。中には、結構ヤバイ状態のモノがあるんです。現場指導では、送られてきた画像を見て、「道路管理者にすぐ通行止と助言した方が良い」と言うこともあります(笑)。
——個人事務所を始めたのも、福北公社を辞めた後?
片山 そうです。私個人として、設計の下請け仕事を請け負っています。こちらで限定しているわけではないのですが、来る仕事は橋梁ばっかりですね。たまに施工計画ものの依頼が来ることはありますけど。
「ツタドボはもう必要ない」がゴール
——橋の魅力はなんでしょうか?
片山 「橋は花形」という優越感ですかね。やはり「橋の造形美」は大きな魅力だと思っています。土木構造物の中で、「みんなで観に行こう」となるモノは、やはり橋だと思うんです。機能面で言っても、橋が架かると、交通の利便性が画期的に向上します。
——最近の若者には、土木よりも建築が人気のようですが。
片山 建築は特定の施主のために建築物を作りますが、土木は、不特定多数の人々のために構造物をつくる仕事です。私は土木の方がやりがいがあると思っています。若い子に話す機会があれば、そう伝えています。防災は、土木ならではの仕事ですよね。多くの人々の命と生活を守るという、非常にやりがいのある仕事だと思っています。
やりがいがある分、大変な仕事なのは確かです。夜中に緊急出動しなければならないし、危険な場所にも入らなきゃいけません。若い人であっても、多くの人々の安全を守ることに喜びを感じられる人はいると思います。そういう人には、土木の仕事は向いていると思いますよ。
——ツタドボの今後の活動について、どうお考えですか。
片山 全国のいろいろな方々と「共Do」したいですね。例えば、今年は明石高専でイベントを行いますが、これを全国に広げていきたいと思っていますし、機会があれば全国どこでもイベントを開きます。ただ、ツタドボを有名にし、全国に広げるのは、我々の目的ではありません。
我々の活動は、一人でも多くの国民に土木の魅力、意義を伝えるための手段なんです。そのために、土木に関する熱い想いを持った方々とコラボしながら、われわれの活動を広げたい。そう考えています。最終的には、ツタドボがなくなれば良いと考えています。それは、我々の目的が達成され、国民に土木の魅力、意義が伝わったたときなのでね。「ツタドボなんて、もう必要ない」と言われる日が来ることを待ち望んでいます(笑)。
——メンバーを増やしたいとは思わない?
片山 それは増やしたいですよ(笑)。ただ、いたずらに数を増やすのではなくて、熱い想いを持った質の高いメンバーを増やしたいというのが、私の考えです。理事会のメンバーからは「あんた、ちゃんと勧誘して来なさいよ」と言われるのですが(笑)、それぞれで活動しているのであれば、無理やりツタドボに入れる必要はないと思っています。仲間として、コラボしていけば良いのでね。
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志は素晴らしいけど、まだ全然伝わってないですよ。
周りで知ってる人、会ったことないです。
聞いたことないwww
まさに、井の中の蛙。