コンクリートの第一人者 近田孝夫
高品質なコンクリート構造物の築造することを目的に、発注者・工事施工者・生コン生産者の3者が連携した「QC(クオリティー・コントロール/品質改善)活動」を推進している「熊本県南コンクリート構造物品質確保推進協議会」。熊本地震を契機に2017年に立ち上がった同協議会では、定期的に研修会を開き、その手法に磨きをかけている。
このほど行われた研修会では「施工の初期不良がコンクリート構造物の劣化に及ぼす影響」について学んだ。講師としてこの難題の解消策を伝授したのは、株式会社麻生の建設コンサルティング事業部で活躍する近田孝夫(工学博士)だ。
近田は、これまで産・官・学のコンクリートに関するあらゆる分野で活躍した実績を持つコンクリートの第一人者だ。コンクリートメーカーに在籍中は、施工現場にも赴き、コンクリート技術者としての手腕も発揮した。
「施工の良否がコンクリート構造物の性能を左右する」と訴える近田。施工者に求められる、コンクリートに対する正しいアプローチとはどういったものなのか、話を聞いた。
コンクリートの質の良さって、何十年も経って出てくる不具合でわかるんだよね。
だから、技術も大事だと思うけど、根っこに技術者としての矜持も大事なんじゃないかと思ってる。
それが無かったら、この程度でいっか、ってなるしね。
こだわろうと思えばどこまででもこだわれるけど、その結果が分かるのがずっと先というジレンマ