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小さな工務店の職人から、大手ゼネコンの海外技術者へ。アジアに中東、アフリカの現場を渡り歩く男の生き様

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公開日:2019.11.22 / 最終更新日:2020.02.28
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インドネシア、インド、サウジアラビアへ

転職した会社は、火力発電所の設計が主力だった。型枠工としての経験しかなかった彼にとって大きなキャリアチェンジとなるのだが、戸惑いはなかった

最初の1年間は事務所内でCADオペとして経験を積んだ。実直な彼の仕事ぶりはすぐに評価され、海外での火力発電所の建設現場での材料検収員に抜擢。現地での荷受から保管・横持にいたる資材総合管理を指揮することになった。

英語ができないどころか、海外への渡航経験もなかったが、「海外」という響きはとても魅力的に聞こえた。二つ返事で海を渡ることを決めた。

担当した国々は、インドネシアにインド、そしてサウジアラビア。宗教も言葉も異なる国々。花畑さんの前には、様々な異文化が立ちふさがった。

特に衝撃だったのは、インドでの火力発電所の新設工事。現場は、最寄りの空港から未舗装の道を車で6時間走った山奥にあった。

ここでは、日本での常識は一切通用しなかった。鉄骨の梁の上で寝ていた作業員が落下した大ケガを負うこともあった。労働組合がデモを起こし、事務所を襲撃。工事が長期にわたり完全にストップすることもあった。通信環境も未整備で、パソコンからメールを送ろうとすると、1通送るのに30分掛かった。

「現場内を悠々と牛が歩いていたこともあった。邪魔だけど、インドでは神聖な生き物なので邪険に扱うこともできなかった。今思えばあり得ないことの連続だったけど、それが刺激になって楽しかった」と笑いながら当時を振り返る。

どの現場も初めてのことばかりだった。だが、どれも日本では絶対に得られない経験だった。一つひとつの苦難が、彼の血肉となった。海外という新たなステージで、やりがいに満ち溢れた日々を過ごしていた。そんなある日。

会社から設計業務への異動を命じられる。

海外の現場を通して、自身の急速な成長を実感していた花畑さんにとって、志半ばで現場を離れることはどうしてもできなかった。

「現場で働きたい」

その一心で、10年間勤めた設計会社を辞めた。

もう一度、海外で働きたい

これまで型枠工、設計職など、職種自体も転々としてきたが、この転職を機に、施工管理技士を目指すことを決意する。とくに、様々な現場を経験できる派遣という働き方に焦点を絞った。もともと人材派遣会社で働いていた彼にとって、派遣の柔軟な働き方は魅力的に映った。

前職での火力発電所での経験を活かし、横須賀の廃棄物処理場の建築工事で施工管理職として働くことが決まった。その後も茨城の工場建設現場で活躍。技術者としての経験を積んでいったが、彼の心にはある思いが綿々と燃え続けていた。

「海外での経験が忘れられない。もう一度、海外で働きたい」

悶々としながら働いていたある日、アフリカ・ギニアでの学校建築の案件が目にとまった。

転職してからは、プラントの施工管理のみを経験し、学校建築の経験はなかった。だが、この機を逃すわけにはいかなかった。ずっと胸に秘め続けた思いを、人材派遣会社に伝えた。

ギニアの小学校就学率は約8割と徐々に上昇してはいるが、地方には未だ十分に手が回っておらず、首都と地方間の就学率格差は大きい。成人識字率は約3割で世界的に見ても極めて低く、教育環境は十分に整っていないのが現状だ。

自分の技術で、教育を受けられない子どもたちの力になれる。社会的使命に心が震えた。初めてのアフリカにも恐れなどなかった。

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