国交省に向いているのは「全国転勤が嬉しい人」
――転勤は大変ではなかったですか?
見坂さん まったく大変ではありません。全国に行って、いろいろな経験をすることは必要なことですし、楽しいことだと考えています。
そもそも全国転勤がイヤだったら、国交省ではなく地方自治体に行っていました。今でも国交省に入ってくる人は、「全国転勤が嬉しい」という人ばかりですよ。
本省で採用面接を担当したことがありますが、国交省を受ける学生はそういう人ばかりですし、私たちもそういう人がほしいということで、採用してきました。転勤がイヤな人は国交省は向いていません。
「忖度発言」の下関北九州道路は”必要”
――福岡県庁ではどのようなお仕事を?
見坂 福岡県赴任のミッションの一つが、下関北九州道路だと思っています。1990年代に「第二関門道路」と呼ばれていたころから関わってきた道路なので、個人的な思い入れもありました。その後、計画が凍結された時期もありましたが、私は非常に大事な道路だと思っています。

今年3月、下関北九州道路検討会で記者会見に臨む見坂部長(中央)
既存の関門トンネルは完成から60年、橋も完成後45年が経っており、老朽化にともなう多額のメンテナンス費用が必要になってきます。この2本の道路だけでは、災害などで寸断されるリスクが非常に高い。九州と本州だけにとどまらず、大阪や東京との物流の大動脈が寸断されることになります。
そう考えると、やはり3本目のルート、下関北九州道路は必要です。既存の2本のルートをしっかりメンテナンスし長く使うといううえでも、3本目のルートは欠かせないと思っています。
福岡県としては、山口県や北九州市、下関市と力を合わせ、計画の具体化を進めていきたいと考えています。これまでの福岡県などによる調査に加え、今年度からは、道路のルートや構造、事業手法などについて、国交省で検討を行っていただいていますが、一日も早い実現を期待しているところです。