ベトナム人管理職登用という英断
田村工業では、7年前からベトナム人実習生を受け入れ、2年前から外国人建設就労者も受け入れている。2019年4月に入管法が変わったが、特定技能の受け入れ予定はないそうだ。逆に言えば、今の体制で充足しているということだろう。
ターニングポイントの一つとなったのが、渡邊さんによるベトナム人管理職登用という英断だ。
加工事業部の加工班長として、実習生の指導に当たるファン・ザ・チェウさんは、ファンが苗字、チェウが名前で、田村工業では親しみを込めて下の名前で呼ぶ。勤続5年。24歳のときに語学留学生として来日し、東京で1年間日本語学校で学んだ。来日2カ月後に、フェイスブックで大阪在住の日本人女性と知り合い、25歳で結婚。子どもは2人いる。

ファン・ザ・チェウさん(田村工業株式会社 加工事業部加工班長(実習生指導員))
渡邊さんは、チェウさんについて「働きはじめてすぐに、管理職として安心感のある人間性だと分かりました。チェウさんに実習生指導員になってもらってから、コミュニケーションがよりスムーズになりました。誤訳の問題もありません」と信頼を寄せる。
ベトナム人が来るとスプーンが消える?
チェウさんは、実習生への教育のポイントを「来日当初は、日本では当たり前のこと、仕事より先に文化を教える必要があります。業務内容、製品加工などはその後の話です」と説明する。
例えば、ベトナム人はしんどいからと、連絡無しで休む。「ベトナム人は『しんどい体で働くのはおかしい』と思っています。どれほどしんどいのかと聞かれたらいやなので、黙って休むほうが楽だと思っています」という。
その他にも、ベトナム人は社員寮の近所に柿などが生っていると、勝手に食べてしまう。「ベトナムの田舎では、畑の野菜を取っても、問題にならないんです。ご近所は家族同様なので」
つまり、これら一つ一つについて、教えていかなければならないわけだ。
こうした文化の違いについて、渡邉さんも「ベトナム人が来ると、食堂のスプーンが消えます。半年ごとに5人を受け入れますが、スプーンが20本ぐらい無くなるんです。持って帰るんですよ。悪気はなく、ちょっと借りるという感覚で(笑)」と話す。
小さなことではあっても、この一事で信頼関係が崩れてもおかしくはない。だが、渡邊さんは「半年ごとに、スプーンを買い足しています」と笑い飛ばす。
工事長の男らしさが顔から伝わってくる
心の広い工場長さん!こんな上司の下で仕事ができたら幸せですね☺️
「昼着」と「横着」の話のように、関係性に溝ができそうな出来事は起こりうるけれど、工場長は放っておかずに立ち止まり向き合うことで良好な関係を築いて来られたのですね。日本とベトナムの文化の違いにも驚きました。
記事を拝見致しました!
私も大工造作のベトナム技能実習生の育成をしている者です。
社長をはじめ会社としての方針には納得し、勇気を頂きました!
今まさに、彼らと一緒にあーだこーだ意見を交わしながら、造作大工の施行要領書ベトナム語版を作っています。
ただの労働力ではなく、1人の人間として「僕も一緒に会社の未来を作っている!」という夢や使命感作りのお手伝いをさせて頂いているという気持ちでやっています。
この記事は成功の一例として、
御社の考え方に賛同し、色々学ばさせて頂きたいと思っています!
ありがとうございます!