建設コンサルとゼネコンの相互協力がポイント
とはいえ、デメリットが全くないわけではない。設計業務と技術協力業務(≒施工法検討、施工計画検討)が同時進行するということは、建設コンサルタントとゼネコンが相互に協力することが必要となる。
しかし、公共工事においては建設コンサルタントとゼネコンが結び付くというのは、あまり好ましくない。そのため、発注者側が調整に入ることが必要となる。だが、ある程度の経験値がある人でないと、調整がうまくいかないと考えられる。
また、建設コンサルタントやゼネコンにとっては手戻りが大きくなる可能性がある。かなり前に進んだのに、何かしらの原因で振り出しに戻る、なんてことがあり得るのだ。設計業務や工事をビジネスとして捉える上では、「儲からない・割に合わない」と考える人が出てきてもおかしくはない。
さらに、災害復旧ではスピードが要求される。ゼネコンであれば一つの工事に集中して取り組める面はあるが、建設コンサルタントは複数の業務を同時に遂行していることが多い。そのため、どれだけの労力をつぎ込めるのか、によって業務の進捗が左右されるのではないか。
ゼネコンにとっても、設計経験がある技術者がチームに加わらないと、技術協力業務は進まない。こちらもどれだけの体制が整えられるのか。どこも人財が逼迫している中での勝負となる。