スタッフに怒鳴る地方局アナ
と!その前に・・・
自分の曳家閑時代の話をしておきます。
自分はまあ、事業規模の問題もありますが、親から大きな倉庫や資金を引き継いだわけでもなんでもありませんでしたから、重機を買って土木に進出することも出来ませんでした。
どうしようかなーと随分悩んだんですが・・・。結局、好きな音楽に近いところで音響(PA)の仕事をすることにしました。PA仕事なら、ほぼ依頼は日曜だけという点も兼業に向いていました。

岡本が音響を担当していたウルトラマンと遊ぼうのリハーサル風景
そんなある日の思い出を書きます。
PAオペレーターをやっていますと、色々なMCさんや局アナさんともご一緒することがあります。
会場に着いて自分の荷物を楽屋に入れて、関係者に挨拶に出て行き、戻ってきたら荷物がそのままなので(当たり前)、ケータリングスタッフの女の子に「なんで! 衣装に使うスーツをハンガーに吊っておかないの!」と怒鳴る地方局アナに、おじさんは気分が悪いわけですよ。
で、本番始まって、その局アナがステージ袖まで出て来て客席前方のお客さんとの会話を始めたんですが・・・!
彼女はステージ両端に設置されたスピーカーの前を通る時に、普通にマイクをアゴのあたりにあてたまま移動していました。
ご存じのように突然、スピーカーがキャン!と耳に痛い音を出すハウリング現象は、本来、マイクの音を拾ってそれを出しているスピーカーが自分の出している音をもう一度、マイクを通して拾ってしまうことで起きます。
つまりプロのアナウンサー足るもの、スピーカーの前を通過する際には、自分の身体でマイクを隠し、そのスピーカーに影響を及ぼす角度を離れてから再びマイクで話すことが出来るべきです(世の中には「アナウンサーとは、まあまあ標準語でそれなりに話すことが出来さえすればプロなんだ」と思っている方もいますが)。
さて、こうした時にPAオペレーターはどうするか?というと咄嗟に「パンニング」をします。
これは彼女が通る、もしくは立ち止まっている側のスピーカーの音量をほぼ0に下げておいて、しかし会場全体への音量は下がらないように反対側のスピーカーの音量を言葉の切れ目を利用して即上げます。
前の方で聴いている観客には片側のスピーカーだけ音量が上がったことは気づかれるでしょうが、後方で観覧している方にはほぼわかりません。
こうしておいて彼女が危険ゾーンからステージ中央に戻って来たらバランスを元に戻します。
そして、休憩時間に彼女にマイクの使い方を優しく注意したんですが、ものすごく敵意をむき出しにして、「他の方からは言われたこと無いんですけど!」と言い返されました。
あのねー、それはその方たちはたぶんあなたに良いアナウンサーになってもらおうなんて思ってもないし、観覧のみなさんに少しでも良い音を届ける気持ちが失せているんですよ。
まあ、気持ちはわかりますが(苦笑)。