奥井建設 破産当日の取締役会ドキュメント
まず、破産申請当日の取締役会を資料から再現してみよう。取締役会のメンバーは8名、うち奥井姓は4名、1人は欠席していたため、7名が参加していた。
倒産の予兆の一つに、代表取締役社長の交代が頻繁に行われることがある。与信調査では十分に注意すべき点だ。奥井建設でも、株主でもあったY氏が2015年6月から代表取締役社長をつとめていたが、2019年9月に突然辞任したことで波紋が広がった。
破産申請当日は、奥井家の人物ではなく、経理や財政に強いI氏が取締役会の議長をつとめた。I氏からは、率直に「3月末分の手形決済不能の見込みのため、破産申し立てしたい」旨の説明があった。7名のうち6名が議長提案に賛成し、破産の申し立てが決まった。

奥井建設 本社に貼られた破産告示書
次の議題は、奥井家のM氏の代表取締役の解任であった。M氏は2004年2月から代表取締役社長、その後代表取締役会長を歴任し、長く会社の経営に携わるだけではなく、株の大部分を保有する大株主でもあった。そのため、諸般の事情で、破産手続きを実行した場合、M氏が代表取締役の地位に留まれば、重大な障害となるため、その職の解任を諮ったところ、賛成6名で成立した。

奥井建設が施工した集合住宅
さらなる議題は、大政奉還である。I氏は奥井家の関係者から乞われて代表取締役社長に就任した。だが、最後の幕引きについては、やはり奥井家に戻すことが相当であると判断し、I氏が代表取締役常務、代表取締役常務であった奥井広大氏が最後の代表取締役社長にそれぞれ就任した。恐らく、会社の葬式はこの2人によって行われることだろう。
倒産や破産取材をすると、従業員も淡々と受け入れることが多い。しかも、奥井建設は50名の規模であるため、会社の内実についてはほぼ共有しており、問題はいつまで持つかという点に関心が寄せられていた。
奥井広大氏とM氏は、実の親子関係であるが、M氏の代表取締役解任に積極的に動いたのも奥井広大氏であった。その理由についてもさらに追った。
うちのクソ社長に読ませたいお
経営できなくせにクソとか言っちゃってみっともないお
飲み屋ばかり行って女口説いて、仕事もしなきゃつぶれるよな!
一度でいいから豊満経営してみたい
部下に自分の事をBOSSとか呼ばせていた輩なのです
ジャイアン
正直ここダメだなと思ったがやはり、って感じ 潰れるべくして潰れた