“柵がない第三者” として中立的なコンサルができる
――満を持して、起業されたと。
真鍋社長 そうですね。2013年7月に株式会社CORE技術研究所を設立しました。
最初は10名で始めました。会社名の「CORE」には、「土木技術、コンクリート技術の核になりたい」という意味を込めました。技術研究所の部分は前の会社から拝借しました(笑)。
幸い、会社設立初年度から、ある程度の仕事をいただくことができました。受注先には、高速道路会社、コンサルタント、ゼネコン、PC専業者などのほか、鉄道事業会社である東京メトロ、大阪市交通局(現・大阪メトロ)、最近では名古屋市交通局などがあります。地下鉄の仕事では、PCグラウト充填調査や地下構造物の点検などを行っています。
ウチの強みは、点検・調査だけではなく、診断、新設設計、補修・補強設計、および数値解析もできるところです。これらをすべて”一社ワンストップ”でできる会社は、そうはないと思っています。
日本の橋梁種別の約40%はPC構造であり、本来耐久性に優れているはずですが、早期に特有の劣化が生じる事例が多々あり、維持管理は大きな課題となっています。
最近では、とくにポステンPC構造物のグラウト充填不足に伴うPC鋼材の腐食や破断が顕在化しており、構造物の耐荷力はもとより周辺の安全対策が急務となっています。
弊社では、非破壊検査技術を用いたPCグラウト充填度調査と、その劣化に対する補修・補強設計に関する独特な技術を有していることから、各方面からの需要が急伸しています。
PC橋梁の調査および補修・補強設計は、それをつくったPC専業者が責任を持って携わる場合が多いです。しかし、それらのPC専業者ではなく、「柵がない第三者」として中立的な立場でコンサルティングできるのが、ウチの強みであり、私の狙いでした。
その狙いはズバリ当たって、建設コンサルタントをはじめ、PC専業者からも仕事の依頼が来るようになりました。もし、一PC専業者所属の人間だったら、こんな仕事は絶対できなかっただろうと思います。