約1tの建材運搬作業から大工を解放
――大型パネルを導入し、御社の大工の仕事はどうなりましたか?
佐藤 弊社では耐力面材として、重量1枚が約35kgの三菱商事建材「MOISS(モイス)」を標準仕様としています。
住宅1棟の現場だと80~90枚運搬しますが、これも大工の仕事です。ほかにも、建材が高性能化するとともにサッシなども重量化するため、大工が運搬する建材の重量は1棟あたり1t近くにも及びます。
しかも、足場がしっかり組み立てられている中で、重量化している面材や建材を2階まで運びます。次に、ピッチに対してミリ単位の細かい精度が求められる釘打ちなどの作業を行います。
サッシや耐力面材など、建材の高性能化と重量化はここ最近のことで、結果、大工の労働環境は一気に悪化しました。
それに比べ、木造大型パネルは、耐力面材やサッシ、構造材、間材などを整った環境の工場で生産し、トラックで運搬。最後にクレーンでパネルを吊り上げ、現場で組み立てます。また、釘打ちについても、現場で打つよりも工場で管理した場所のほうがより正確です。
つまり、大型パネルを導入すれば、あまりにも重量化した建材運搬などの過酷な作業から解放され、楽になります。
ほかにも施工精度や品質向上、さらには建前後に建物が雨ざらしになることがありますが、外回りを塞ぐことができ戸締りも早々に可能になるので、防犯性も高くなりお施主様にもメリットが大きいです。
また、今まで工務店のPR活動は、地域内の顧客に対して、魅力的なデザインや施工を提案することに重きを置いてきました。しかし、これからは、工務店業界内に対しても情報発信していく必要があります。
新卒で若い大工を育成することはもちろんですが、同時に、即戦力で優秀な大工を獲得するには、大型パネルを導入し、どこよりも良い条件の労働環境をPRすることに大きな意味があります。
――大型パネルの最近の施工事例は?
佐藤 4月着工、5月上棟の500m2超えの非住宅 中規模木造の倉庫兼事務所で、大型パネルを使用する工事の予定があります。
新潟県燕市の工業団地内に建築する木造の倉庫で、部分的ではありますが、県産材も使う予定です。一般的には鉄骨造で建築される規模の床面積500m2越え、梁スパン11mを木造で作ることは、中規模木造を公共建築だけでなく民間にも普及させるという意味では、トピックスとなる物件です。
また、この規模は一般的にゼネコンが取っていく工事ですが、「木造」となった途端に弊社のような小さな工務店でも受注が可能になりました。実は、今回の現場はゼネコンとの競合となりましたが、弊社が受注することができました。
大工ではなくただの組立工
大工としての技術の継承には繋がらない。工務店の利益の確保が第一の目的であり、現場作業は基本的に同じ作業で工場で働いているのと変わらない大工としてのやりがいがある仕事にはならない。
コメントありがとうございます!サトウ工務店の佐藤です。
私が思うに、大工の働き方改革と同時に、やりがいのある仕事を作る必要が経営者にはあります。
おっしゃる通り、同じ作業ばかりの繰り返しなら、ロボットなどで自動化も可能なのです。今一度「ものづくり」の楽しさを感じてもらえるよう、仕事を受注する、作り出す必要があります。
キツイ 危ない 暑い 寒い
なのに給料が安い
自分の息子には建築業は勧められません
土日、祝日休み、有給あり、月給制
甘いかもしれませんが、このくらいしないと今の子供達は大工をやらないと思います
このような取り組みをしているサトウ工務店の社長は社員をとても大切にしていると思います
仕事量は増えているのに単価は下がる
これでは若い人材は増える気がしません
コメントありがとうございます!サトウ工務店の佐藤です。
おっしゃる通り、今の大工は仕事内容に似合った報酬をもらえていないのが、大工不足の大きな要因です。
一流企業並、もしくはそれ以上もらっても良い優秀な大工さんはたくさんいます。
たとえ、世の中をなかなか変えることが出来なくても、自分や自社はすぐ変えられます。
私はその考えで今後も改革していきます!
普通のサラリーマン、という感覚なんですかね?
もちろんこんなの大工じゃない!って言う人はいるでしょうが、ハマる人にはとことんハマる働き方だと思います。
これも一つの遣り方で良いと思います。
後は公に発表した以上、適正な給与の確保が御社の職人に対しての責務です。顧客満足度アップも必須ですが。
在来工法も継承を怠る事無くがんばってください。
腕の良い職人は軽く1000超えますよ。休み方も自由ですよ。