革新的な労働条件のホワイト化
――大型パネル導入時の御社の大工の感想は?
佐藤 これは大工だけに限りませんが、革新的なことは彼らにとって当初受け入れがたく、疑心暗鬼的な部分もありました。ところが上棟し、大型パネルを組んでみると、大工から「社長、次からもこれにして欲しい。楽だけじゃなく、品質も確保できる」との声が上がりました。
在来木造軸組工法で30坪の住宅を4か月で建設することを想定すると、工期も1~2週間短縮でき、大工の数も15~20人削減できました。大きな会社であれば、生産性が向上するとさらに2~3棟と次々と建設する方向で進むと思います。
ただ、弊社では工期短縮分を大工の休暇にあてることにしました。大工は全国的に週休1日ですが、弊社では週休2日、祝日休日のほか、年間5日以上の有給休暇制度、午後5時半定時退社、残業ゼロ、建前が終わったら早々に現場内部にエアコンを設置するという働き方改革を導入しました。
そうすることで、ここ1年で大工の休日が劇的に増えました。大工も、夏と冬はかなりシビアな環境なので、エアコンのあるなしでは生産性が異なります。
――しかし、大工は日給月給ですから賃金も減ってしまうのでは?
佐藤 日給月給制では休みが増えると給料が減ることになりますが、上述の働き方改革を展開するときに完全月給制に移行しました。給料は、土曜日出勤や残業をしていた時期よりも下がらないような体系にして、なおかつ休みを増やすことにもチャレンジし、さらには社会保険にも加入しました。
会社的には負担も大きいのですが、弊社の大工社員は3人なので規模が大きい工務店が行うよりも楽なんです。
現在、大工の年齢構成は60代が1名、40代前半が2名で、10年後には必ず1名が入れ替わります。その時に、優秀な若手の大工を確保し、後継者として迎えるためには、小さくても働きやすい工務店にしていかなければなりません。
私たちのような小ぶりの工務店が働き方改革を行うことは不思議に感じるかもしれませんが、これは優秀な人材を確保するための先行投資です。弊社の大型パネル導入や働き方改革は、将来を見据えた生き残りをかけた取組みです。タイミングを見て求人も行いたいと考えています。
――工期が短縮した分、さらに大工に仕事をさせれば儲かるという発想もありえたと思いますが。
佐藤 目先のことだけを考えれば、それで良いかもしれません。給料を増やし働き方改革を行えば、いまだけ考えれば会社にとっては確かにマイナスです。しかし、これが5年後、10年後と長いスパンで見て人材の確保などに効果があれば、そのほうが良いのです。
大工ではなくただの組立工
大工としての技術の継承には繋がらない。工務店の利益の確保が第一の目的であり、現場作業は基本的に同じ作業で工場で働いているのと変わらない大工としてのやりがいがある仕事にはならない。
コメントありがとうございます!サトウ工務店の佐藤です。
私が思うに、大工の働き方改革と同時に、やりがいのある仕事を作る必要が経営者にはあります。
おっしゃる通り、同じ作業ばかりの繰り返しなら、ロボットなどで自動化も可能なのです。今一度「ものづくり」の楽しさを感じてもらえるよう、仕事を受注する、作り出す必要があります。
キツイ 危ない 暑い 寒い
なのに給料が安い
自分の息子には建築業は勧められません
土日、祝日休み、有給あり、月給制
甘いかもしれませんが、このくらいしないと今の子供達は大工をやらないと思います
このような取り組みをしているサトウ工務店の社長は社員をとても大切にしていると思います
仕事量は増えているのに単価は下がる
これでは若い人材は増える気がしません
コメントありがとうございます!サトウ工務店の佐藤です。
おっしゃる通り、今の大工は仕事内容に似合った報酬をもらえていないのが、大工不足の大きな要因です。
一流企業並、もしくはそれ以上もらっても良い優秀な大工さんはたくさんいます。
たとえ、世の中をなかなか変えることが出来なくても、自分や自社はすぐ変えられます。
私はその考えで今後も改革していきます!
普通のサラリーマン、という感覚なんですかね?
もちろんこんなの大工じゃない!って言う人はいるでしょうが、ハマる人にはとことんハマる働き方だと思います。
これも一つの遣り方で良いと思います。
後は公に発表した以上、適正な給与の確保が御社の職人に対しての責務です。顧客満足度アップも必須ですが。
在来工法も継承を怠る事無くがんばってください。
腕の良い職人は軽く1000超えますよ。休み方も自由ですよ。