「君たちは良い時代に生まれたんだよ」
参加者から必ずある質問の一つが、転勤に関する質問だそうだ。ただ、「転勤がイヤだという学生が、国土交通省に入ることはまずありません。官公庁とは言え、土木の仕事である以上、現場での業務も経験しますから、どうしても転勤を伴います」と言う。「全国転勤OK」はキャリアになるための必要条件のようだ。
「あと多いのが、休日とか残業に関する質問です。霞が関はかつて『不夜城』と言われましたが、今はそんなことはありません。馬車馬のように働く文化はもうなくなっています。職場での残業の多寡は、管理職のマネジメント能力を評価する基準の一つにもなっていますので」。
「私は入省7年目で、不夜城の時代を知りませんが、その頃を知る上司の話を聞くと、『今の時代に入省してよかったな』とつくづく思います。学生にも『君たちは良い時代に生まれたんだよ』と言っています」と笑う。この点、霞が関も時代の流れに乗っているようだ。ただ、災害対応などの急を要する業務を担当している場合は、残業、休日出勤があることは覚悟しておく必要があるだろう。
ウェビナーには本省上層部も好意的
気になるのは、国土交通省のウェビナーが今回限りなのかということだ。
「今回は、新型コロナウイルス対策のため、代替手段としてWEBイベントを実施したわけですが、われわれ担当者の間では、WEBイベントというものを前向きに捉えています。実際にやってみると、『意外に簡単にできた』というのが率直な感想です。セッティングなど難しいものだと思い込んでいたので、やってこなかっただけだったと。これからも継続できるのであれば、やっていきたいと考えています。本省の上層部も好意的に見ています」と前向きだ。
「個人的には、国土交通省の働き方もこれから変わってくると思っています。デスクワークを中心とした仕事は、必ずしも一つの場所にいないとできないわけではないからです。ただ、土木、建設の魅力は、現場でものをつくることなので、その部分は大きく変わることはないと思っています」と付け加える。
「動画を見る限り、水位計は水没か水没に近い状況で、観測不能の期間が生じたと考えるのが妥当だと個人的には思う。計測値は10分ごとなので、濁流が橋桁を越えるような状態が10分未満ならピーク水位を測定できたとも考えられるが、もっと長く続いていたと思われる。なんとも腑(ふ)に落ちない計測結果だ」と答えた。
国交省九州地方整備局(福岡市)の酒匂一樹・河川計画課長は9月27日、朝日新聞の取材に応じた。「水位が測れていることは事実。計測値は水位計からリアルタイムで外部のサーバーに送信されている。水没すれば『センサー異常』と通知されるが、そうなっていない」と答えた。