「オール四国」で新幹線整備に挑む
四国経済連合会(四経連)と四国4県(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)は2017年、「四国新幹線整備促進期成会」を設立。以来、四国新幹線実現に向け、「オール四国」のスローガンのもと、国への要望活動、四国各地でのシンポジウム開催などの活動を展開している。
新幹線は、地元要望があっても必ずしも実現するとは限らないが、地元要望がなければ絶対に実現することはないと言われる。期成会のような組織は「地元の声づくり」のために不可欠な存在だ。
ただ、実際に新幹線を整備するには、事業費の確保、沿線自治体の合意形成、住民の後押しなど大きなハードルが立ちはだかる。とりわけ、緊縮財政路線を突き進む現政権下において、兆円単位に上る事業費をどう確保するかは、極めて難しいチャレンジになる。
四国新幹線は本当に実現するのか。実現に向け、どのような取り組みが必要になっているのか。期成会の会長である千葉昭さんに取材してきた。
四国新幹線誘致では「単線を含めても良いから!」と聞いたことがあります。
従来の時速300km超えのような「超高速を追求する新幹線」を求めるとしたら私も新幹線に否定的なままでした。地方路線の場合は開業後の維持管理費も見据えないといけないからです。
ですが単線も採り入れた誘致活動を聞いて四国新幹線に肯定的な気持ちが芽生えました。
ルートを自分なりに想定しましたが、四国新幹線内の単線割合はおよそ4割前後が適切だと感じました。
あえて単線を含めて建設すれば、高速道路の4車線化のように、後から完全複線にする事業を出来る可能性を残せます。つまり、建設需要を世代間で万遍なく配分でき、建設業も継続的に続けられる意味で希望をもちやすくなると思います。(ただし、建設業的な意味で欲をかいて単線割合を増やそうとしてはいけません。新幹線が「機能不全」を起こしやすくなり新幹線への評価が下がり建設工事需要自体なくなる恐れを高めるからです)
建設業的には、適切な単線割合をする前提で単線含めた新幹線整備を提言すると良いでしょう。
●単線を含めるので安全性の観点
●建設費だけでなく開業後の維持管理費や運行管理の難易度を下げる
以上の観点から
四国新幹線など新たに造られてほしい新幹線の最高速度はあえて「控えめ」にするのがよいと考えました。目安速度は時速240km~200kmくらいです。
「長距離」は地方空港を途中駅に組み込み、遠距離を得意とする航空と連携・棲み分けする。(新幹線と地方航空を組み合わせ地方同士の経済交流を促せば新幹線も航空も有益です。)
最高速度をあえて控えめにする前提だと 「曲線のきつさ」もきつくして良いのではと考えました。今造られている新幹線の曲線半径は原則4000m以上と聞きましたが、東海道新幹線は原則半径2500m以上とのこと。東海道新幹線並みの曲線半径にするとしたら用地買収の労力・費用も含めどれくらい建設費などを抑えられるでしょうか。
新幹線で時速300kmを超える超高速が必要なのは東京から直接伸びる路線・区間で長距離になりがちな東北新幹線(+青函トンネル区間除く北海道新幹線札幌まで)と山陽新幹線、(リニアですが)中央新幹線 くらいだと思います。他の路線は空港経由を通じた地方航空との連携も図るのがより適切と考えます。