整備計画格上げに向けた法定調査を要望中
――今後の要望活動などの方針は?
千葉会長 現在、四国を含め基本計画路線全体に対して動きが出ています。政府は、東京や大阪を拠点に新幹線などで各地を結び一体的経済圏を構築する「地方創生回廊」構想を打ち出しています。こうしたことを背景に、国土交通省では、平成29年度から今年度まで「これからの幹線鉄道のあり方について」毎年約3億円の調査費を投じています。
このなかでは瀬戸大橋など既存インフラの活用や単線新幹線の可能性など、四国新幹線にも適用可能な事項について具体的な調査が行われており、期成会では、これを整備計画格上げに向けた法定調査に進展させるよう政府に要望しているところです。今年の3月26日には、自由民主党四国ブロック両院議員会四国新幹線PT(座長:山本有二衆院議員)と連名で決議を行い、自民党の稲田朋美幹事長代行に要望活動を実施したところです。
期成会の立ち上げ直後は、政府与党に要望活動を行っても関心を持ってくれませんでしたが、新幹線を取り巻く環境変化や我々の活動によって、今では四国新幹線の中央での認知度は格段に向上しており、多くの方が基本計画路線の中で「四国が最も熱心」との評価を得ています。「次は四国の番だ」と強く感じています。
昨年8月の東京大会では、期成会の中長期目標として「リニア中央新幹線が大阪まで開通する2037年を四国新幹線開業の一つのターゲットにする」を採択しました。2021年度に法定調査に取り掛かってもらえれば、2037年の一部開業は決して非現実的な目標ではありません。
今後も2021年度の法定調査の実施を中心に、要望活動を強化させていきたいと考えています。
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
四国新幹線誘致では「単線を含めても良いから!」と聞いたことがあります。
従来の時速300km超えのような「超高速を追求する新幹線」を求めるとしたら私も新幹線に否定的なままでした。地方路線の場合は開業後の維持管理費も見据えないといけないからです。
ですが単線も採り入れた誘致活動を聞いて四国新幹線に肯定的な気持ちが芽生えました。
ルートを自分なりに想定しましたが、四国新幹線内の単線割合はおよそ4割前後が適切だと感じました。
あえて単線を含めて建設すれば、高速道路の4車線化のように、後から完全複線にする事業を出来る可能性を残せます。つまり、建設需要を世代間で万遍なく配分でき、建設業も継続的に続けられる意味で希望をもちやすくなると思います。(ただし、建設業的な意味で欲をかいて単線割合を増やそうとしてはいけません。新幹線が「機能不全」を起こしやすくなり新幹線への評価が下がり建設工事需要自体なくなる恐れを高めるからです)
建設業的には、適切な単線割合をする前提で単線含めた新幹線整備を提言すると良いでしょう。
●単線を含めるので安全性の観点
●建設費だけでなく開業後の維持管理費や運行管理の難易度を下げる
以上の観点から
四国新幹線など新たに造られてほしい新幹線の最高速度はあえて「控えめ」にするのがよいと考えました。目安速度は時速240km~200kmくらいです。
「長距離」は地方空港を途中駅に組み込み、遠距離を得意とする航空と連携・棲み分けする。(新幹線と地方航空を組み合わせ地方同士の経済交流を促せば新幹線も航空も有益です。)
最高速度をあえて控えめにする前提だと 「曲線のきつさ」もきつくして良いのではと考えました。今造られている新幹線の曲線半径は原則4000m以上と聞きましたが、東海道新幹線は原則半径2500m以上とのこと。東海道新幹線並みの曲線半径にするとしたら用地買収の労力・費用も含めどれくらい建設費などを抑えられるでしょうか。
新幹線で時速300kmを超える超高速が必要なのは東京から直接伸びる路線・区間で長距離になりがちな東北新幹線(+青函トンネル区間除く北海道新幹線札幌まで)と山陽新幹線、(リニアですが)中央新幹線 くらいだと思います。他の路線は空港経由を通じた地方航空との連携も図るのがより適切と考えます。