施工管理の現場体験を公務員で生かす
転職のきっかけは、いつやってくるかわかりません。私の場合は、やむにやまれぬ経済的理由から転職を余儀なくされましたが、結果として、新しい仕事内容に挑戦することによって、自分自身の成長につながっています。
ゼネコンから公務員に転職して特に感じるのは「現場なくして建築は語れない」ということです。役所には建築現場を知らず、理論だけで話をする人も多いため、どうしても業者側との摩擦が起きがちです。私も大手ゼネコンでの施工管理経験6年程度で、業者と役所の溝を埋める役割に一役買うなど、自分に与えられた仕事以外にも付加価値を見付けることができています。
施工管理技士の成功のカギは「チャレンジ」
正直、ゼネコンで建築する側として、建設現場で働きたいという気持ちもありますし、東日本大震災後の建設業界の好景気を考えると、民間の会社のほうが年収はよかったのかも、と思うこともあります。しかし、建設業界は非常に流動性の高い業界なので、先を見据えようとしても、経済のあおりをうけるなど、予想外のことが必ず起きます。ゼネコンの正社員といえども失職の不安は拭えません。私はまだ若かったため、建築系の公務員への転職が可能でしたが、自分の転職経験と知人の転職事情を見ていると、安定を求めて動かない人よりも、チャレンジして転職している人のほうが、結局「安定」につながっているように思います。
工程作成、工程管理、業者折衝、予算管理など多岐にわたる施工管理の経験は、建設業界にいれば、どの分野の業種においても、会社が変わっても生かせる経験です。建設業界で生きていく以上は、いま目の前にある仕事を一生懸命にやり、時代にうまく合わせて仕事も自分も変化させていくことが、施工管理技士として重要な生き方ではないかと思います。一生懸命やった仕事は必ず身になります。私もいつまで公務員に甘んじていようか悩んでいるところですが、常に視界を広く持つことが施工管理技士として重要ではないかと考えます。