机上の話だと、なかなか学生に興味を持ってもらえない
――土木の人材育成についてどうお考えですか。
森下さん 実は私、9年ほど前からある大学で鋼構造に関する非常勤講師をしているんです。先の先輩の後任として、自分が学生時代に習っていないことを教えています(笑)。「土木って面白いんだよ」ということをいかに学生に伝えるかを日頃から考えながら、苦戦しながら教壇に立っています。
計算とか机上の話は小難しいので、なかなか興味を持ってもらえないところがあるので、現場学習として、実際の大きな構造物に触ってもらうといった授業もやってみたりしています。ただ、言葉でインフラの重要性を説明しても、学生はあまりピンときていないようなので、なかなか難しいところですね。
――最近の学生気質をどう見ていますか。
森下さん もちろん昔の学生とは違いますが、頑張る子もいますし、捨てたものではありません。いかに興味をもってもらい、経験してもらうかが問題で、将来の担い手不足が懸念される中、そこは周りの大人がしっかり役割を果たすべき部分だと思っています。
私の場合、講義が下手ということもあり、実際の現場に行って、箱桁や鋼製橋脚の中に入って、実構造物に触れる機会をなるべくつくるようにしています。あらかじめ、学生に図面を確認させてから現場に行くのですが、図面ではあるかどうか分からないようなリブとかが、実物では以外に大きくこれは構造物として効いているなと感じてもらうわけです。
現物を見ると、やはり学生はイキイキとしてその後の私の話を聞く目つきが変わるのを感じます。併せて、現場の厳しさや安全管理の大切さも伝えています。学生にとっては、座学の授業では漠然としていたものが、実際のモノとして目の当たりにするわけですから、土木に対する具体的なイメージがしやすいのだと思います。
人材採用・企業PR・販促等を強力サポート!
「施工の神様」に取材してほしい企業・個人の方は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
土木に進みたくても反対されて断念してしまった者です。
素晴らしいお話をありがとうございました。