役所にとって、地域建設業者は”戦友”
――地域建設業者を取りまとめた、各建設業協会や連合会の存在も大きかったと思いますが。
大槻専務 通信が途絶えても、誰かの携帯電話からショートメールで連絡もでき、情報を得ることができました。常日頃から、危機管理に備えてきた各県の建設業協会の存在は大きかったと思います。
――当時の徳山局長の意思決定が迅速だったことも大きかったのでは?
伊藤顧問 被災直後、大畠章宏国土交通大臣(当時)と徳山局長がテレビ会議の機会があり、私もその場におりましたが、そこで「人命第一に、全責任は私が取るので、すべて局長の思うようにやっていい」と、大畠大臣から了解を得られたことは大きかったと思います。その許可が得られなければ、行動に制限が生じていたと思います。これにより道路啓開や市町村の支援などが一気に行えるようになりました。
――当時、行政と地域建設業者はどのように意見交換をされていたのでしょうか。
大槻専務 とにかく問題は山積みでしたが、国が「資材対策連絡会議」「施工確保連絡会議」「復興加速化会議」など、われわれ地域建設業界の声を汲んでいただく場を整備していただいたことは、ありがたいことでしたね。
伊藤顧問 実は、これまでこのような意見交換の場はなかったのですが、次々と会議が設置され、以後10年間続きました。復旧・復興工事を進めていく上で、これら一連の会議の存在も大きかったと思います。
大槻専務 徳山さんは、よく”戦友”という言葉を使います。役所と地域建設業者はクルマの両輪であり、双方の活躍により、復旧・復興を行っています。
今こそ「公共事業=悪」の認識を払拭するタイミング
――一方で、地域の財産であるべき地域建設業者に休廃業の危機が迫っている現実もあります。
大槻専務 東日本大震災以前は公共事業が大幅に減少しており、地域建設業者もギリギリのところで踏みとどまっていた状況でした。ですが、日本は脆弱な土地柄で、常に国土のメンテナンスに気を払わなければならない国です。近年の災害を見ても、地震や風水害問わず、全国各地で発生しています。公共事業が減少することは、日本を滅亡させることに繋がるわけです。
当時はマスコミによって「公共事業=悪」という間違った考え方が醸成されていましたが、今はこの認識を払拭する時期に来ています。その点では、今回「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に続き、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が実施されることになったのは幸いなことです。
懸念していることがあるとすれば、政権が変わることによって、公共事業を減少させる政策に転換されることです。国家として、公共事業を安定的・戦略的な政策に位置付けていただき、国策として毎年、平均して工事が発注されることが地域建設業者を維持する上で望ましい在り方だと思います。
伊藤顧問 発災当時、地域建設業者がすぐに稼働できたのは、年度末で工事の最盛期であり、重機もそれなりに現場で動かしていたのが大きかったです
一方で、当時は公共工事の予算もしばらく厳しい情勢が続いていました。もし、そのまま公共事業の予算がその後何年も厳しい措置が取られていたら、建設業の倒産、休廃業・解散が相次いでいた可能性は高いでしょう。その場合、ここまで迅速な復旧・復興工事が行われていたかと言えば、大いに疑問があります。
「地域建設業者はこんなにいらない」という乱暴な意見があることも事実です。しかし、東日本大震災でも同様ですが、災害が発生したとき、その地に建設業者は必ず存在していなければなりません。地域建設業者は日本国土全体に均等にないと、復旧・復興工事が遅れ、そこに居住している方々が困ることにもなるからです。
大槻専務 地域建設業者は、交番と同じように「地域の守り手」です。この取材の数日前の2月13日には、東日本大震災の余震により、宮城・福島の両県では震度6強の地震が発生しましたが、その際も各地方自治体から、東北地方整備局に要請があり、災害協定に基づき物資の要請がありました。
災害は土日や夜中にも襲来します。今回の地震でも、地域建設業者はブルーシートを日曜日中に手配するためにフル稼働でした。一般の方は、役所にブルーシートを取りに行って、役所の方に感謝をするでしょう。しかし、ブルーシートの手配は地域建設業者が行っているわけです。それが目に見えないことは残念でなりません。
伊藤顧問 災害に限らず、鳥インフルエンザの処理でも地域建設業者が奮闘しています。穴を掘り、埋める作業も担当しているんです。報道こそされませんが、地域の問題は地域建設業者が解決に当たることは多いんです。
地域建設業者は半公財 ありがたい言葉です。
この言葉に甘んじず災害復旧は日頃の地域への恩返し
自分たちの使命と思い仕事をしていきたいと思いました。
残念ながら、その考えは浸透しないだろう。なぜなら、世論の流れを決めているのは整備された都市に住む裕福層だからである。彼らは自分たちの有利となる自由競争社会を至上としているので、営利企業ありきの考えしかできない。
1ですがそう思います。しかし災害が起きたときその幼稚な富裕層は困ります。ザマミロとも言って共に沈む訳にも行かないのでなんとかしなくてはいけないと思います。
3日3晩とかあるなかで他産業と給与の大差が無く、おまけに現場によっちゃー純利が出ないとか次生まれ変わったらやらないと思う