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“流域治水” という巨大プロジェクトが始動「建設業界と行政が”一心同体”で立ち向かう」【東北地整】

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長井 雄一朗
公開日:2021.06.23
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国土交通省東北地方整備局河川部の栗原太郎河川計画課長

国土交通省東北地方整備局河川部の栗原太郎河川計画課長

目次
  1. 流域全体での治水へパラダイムシフト
  2. 東北地方を相次いで襲う風水害の実態
  3. 大きな転換期を迎える河川整備計画
  4. 本格的に動き出した「流域治水」
  5. 河川行政がゼロベース思考を導入
  6. 3つの注目プロジェクトとは?
  7. 阿武隈川緊急治水対策プロはハード整備で1840億円
  8. 鳴瀬川水系ではまちづくりと水害防止を一体化
  9. 「流域治水」はハード・ソフト一体で多層的に推進
  10. 河川とまちを活性化する「かわまちづくり支援制度」
  11. 建設業と行政は「一心同体」

流域全体での治水へパラダイムシフト

近年、東北地方でも風水害が頻発化・激甚化している。特に「令和元年東日本台風」では阿武隈川や吉田川で大洪水をもたらし、気候変動による厳しい現状を改めて突きつけられている。

令和元年東日本台風の教訓をもとに、2020年からは大きな河川はもちろん、小さな支流も含む「流域全体」で国・自治体・企業・住民などあらゆる関係者が協働して治水対策に取り組む「流域治水」への転換をはかったことは河川行政にとって大きなトピックスと言える。

2021年4月28日には特定都市河川浸水被害対策法など9本の法律を束ねて改正する「流域治水関連法」が成立し、「流域治水」の取組みを全国で展開できるようになった。

国土交通省は、2020年7月にとりまとめた「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」を踏まえ、2021年3月には全国109の一級水系全てにおいて「流域治水プロジェクト」を策定・公表している。「流域治水」の現場レベルの取り組みが本格化するなか、国交省東北地方整備局河川部の栗原太郎河川計画課長に「流域治水」の意義等について話を聞いた。

東北地方を相次いで襲う風水害の実態

――東北地方を襲った風水害に対する考えについて

栗原太郎氏(以下、栗原) 平成27年9月関東・東北豪雨では吉田川、2017年7月の洪水では雄物川、令和元年東日本台風では阿武隈川と吉田川、そして、2020年7月豪雨では最上川と、近年、東北地方でも毎年のように大規模な洪水・氾濫が発生しています。

雄物川では、2017年7月の洪水以降の10か月の間に3回氾濫が発生しましたし、全国109水系のうち、6位の延長を持つ阿武隈川や7位の最上川といった全国屈指の大河川で、ごく一部の区間ではなく、数十kmから100kmの単位で、連続的に既往最高水位を観測するという規模の洪水が発生し大きな被害が出ている状況から、東北地方の河川が気候変動の影響による厳しい現実を突きつけられていると感じています。

令和元年東日本台風第19号に伴う出水時の郡山市の浸水状況 / 国土地理院撮影

令和元年東日本台風第19号に伴う出水時の郡山市の浸水状況 / 国土地理院撮影

東北地方においては、気候変動は将来のことではなく、現実に起こっていることとして対応しなくてはならない時に来ています。経験したことがない豪雨が毎年のように、しかもかなり広域的に降り、それが水害や土砂災害を引き起こす要因となっています。

今年の雨の時期に備え、昨年・一昨年のような大洪水が今年も必ず来るという前提でできる準備をしようと、管内の担当者会議で話をしたところです。

人命はもちろんのこと、社会の生活基盤は治水があってこそです。地域全体の治水の安全度を高めることが地域の発展につながることを改めて肝に銘じ、整備局一丸となって、これからの気候変動の時代に立ち向かっていかなくてはなりません。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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