施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

“流域治水” という巨大プロジェクトが始動「建設業界と行政が”一心同体”で立ち向かう」【東北地整】

  • インタビュー
  • エトセトラ
公開日:2021.06.23
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有

大きな転換期を迎える河川整備計画

――これからの東北地方整備局の河川整備方針についてお聞かせください。

栗原 2020年度から「流域治水」の取組みが本格的に始まりましたが、その中で、各河川における必要なハード対策を確実に進めていくことが、私たち東北地方整備局の最大の責務です。2020年12月に決定された「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」のもと、まずは、現在の河川整備計画に基づき、必要な河川整備を着実に進捗させていきます。

並行して、将来の気候変動の影響を考慮した、新たな治水計画を検討し、見直していく必要があります。これまでの治水計画は、過去の実績の降雨、潮位などに基づいて作成してきましたが、気候変動の影響による降雨量の増大、海面水位の上昇などを考慮すると、現在の計画の整備完了時点では、実質的な安全度が確保できないおそれがあり、今後は、気候変動による降雨量の増加、潮位の上昇などを考慮したものに計画を見直す必要があります。

国土交通省水管理・国土保全局では、「気候変動を踏まえた治水計画の前提となる外力の設定手法」、「気候変動を踏まえた治水計画に見直す手法」等について検討を行う「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」を2018年4月に設置しました。

2019年10 月に「気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言」が本検討会においてとりまとめられ、治水計画の立案にあたり、実績の降雨を活用した手法から、気候変動により予測される将来の降雨を活用する方法に転換する治水計画の考え方が示されました。

気候変動を踏まえた治水計画のあり方について

気候変動を踏まえた治水計画のあり方について

また、2021年4月に同提言の改訂版として、気候変動を踏まえた治水計画を作成していくための具体的手法等がとりまとめられました。改訂版では、気候変動を考慮した治水計画へ見直すにあたり、計画で想定する外力を世界の平均気温が2℃上昇した場合を想定した降雨量とするとともに、過去に経験したことのない雨の降り方も考慮した上で、治水対策の検討の前提となる基本高水を設定すべきことが示されました。

東北地方整備局としてもこれらの提言を踏まえ、頻発化・激甚化する洪水被害に対応すべく、気候変動によるさらなる外力の変化も想定した手戻りの少ない河川整備メニューの検討、施設能力や目標を上回る洪水に対し地域の水災害リスクを低減する減災対策の検討、雨の降り方(時間的、空間的)や土砂や流木の流出、内水や高潮と洪水の同時生起など、複合的な要因による災害にも効果的な対策の検討を順次進める方針です。

本格的に動き出した「流域治水」

――「流域治水」の本格稼働に際して抱負は。

栗原 従来の治水では、河川、下水道、砂防、海岸等の管理者主体のハード対策を河川区域や氾濫域においてそれぞれで実施してきており、一つのテーブルに着いて、個別の取り組みをお互いに一つのプロジェクトに組み込むことはあまりできていなかったといえます。

各水系で始動する「流域治水」

各水系で始動する「流域治水」

「流域治水」により、国・都道府県・市町村、企業・住民など流域全体のあらゆる関係者の協働によって、河川区域や氾濫域のみならず、集水域含めた流域全体で対応し、水害を少しでも抑えるという取り組みに至ったことは大きな転換と感じています。

2021年3月30日に、東北地方整備局管内全ての一級水系(12水系)、二級水系のうち小本川(岩手県)において、「流域治水プロジェクト」を公表し、引き続き、他の二級水系においても策定・公表を進めていく予定です。

今後、各種対策を具体化し、各地域の特色を活かした流域治水を進めていくためには、関係機関との一層の連携が不可欠です。下水道、都市(公園を含む)、住宅、道路等、整備局内の関係部局のみならず、東北農政局、東北経済産業局、東北運輸局、東北森林管理局、気象台等とも連携を強化し、各流域治水協議会での議論状況やそこで浮かび上がる地域の課題等を共有しながら、各流域のプロジェクトの内容を1つずつ具現化していきたいと考えます。

また、「流域治水プロジェクト」の取組みを推進していくためには、関係者間の連携はもとより、地域の方のご協力・ご理解が不可欠です。そのためにも、これまでは主に河川の中に目を向けて仕事をしてきた私たち整備局職員が、これまで以上に流域全体を俯瞰し、地域への理解をより深めるとともに、これまでの仕事の仕方にとらわれない柔軟な発想を持ちながら仕事をしていくことが大切になっていきます。

河川行政で大きな転換点であった「流域治水」

河川行政で大きな転換点であった「流域治水」

次のページ3つの注目プロジェクト
«12345»
  • この記事をシェアする254
  • この記事をツイートする11
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
2008年に白紙撤回された、噂の「川辺川ダム建設予定地」に行ってみた
2008年に白紙撤回された、噂の「川辺川ダム建設予定地」に行ってみた
暴れ川と呼ばれる「球磨川」、過去最大級の水害 「令和2年7月豪雨」により、熊本県南部を流れる球磨川が氾濫し、流域市町村で死者65名、9,000棟を超える家屋被害が発生した。球磨川は過去に何度も氾濫した暴れ川だが、記録が残...
「広い視野を持つことが必要」西松建設の若きドボジョが語る、ダム建設の魅力や奥深さ
「広い視野を持つことが必要」西松建設の若きドボジョが語る、ダム建設の魅力や奥深さ
立野ダムで働く入社2年目の若きドボジョ 熊本阿蘇に建設中の立野ダム現場を再び訪れる機会を得た。 この現場では、1年ほど前、立野ダムの施工を担当する西松JVの迫綾子さんに取材したことがある。またいろいろ話を聞かせてもらおう...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...

この記事を書いた人

長井 雄一朗
この著者の他の記事を見る
建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
“流域治水” という巨大プロジェクトが始動「建設業界と行政が”一心同体”で立ち向かう」【東北地整】 “流域治水” という巨大プロジェクトが始動「建設業界と行政が”一心同体”で立ち向かう」【東北地整】

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • “流域治水” という巨大プロジェクトが始動「建設業界と行政が”一心同体”で立ち向かう」【東北地整】
  • 施工の神様
  • エトセトラ
  • “流域治水” という巨大プロジェクトが始動「建設業界と行政が”一心同体”で立ち向かう」【東北地整】

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様